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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2011/03/31
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カテゴリ: 生活

 3月30日(水)
 今朝さいしょの驚き。
 末の子どもがパジャマのままあらわれて「熱があるみたいなの」と云ったこと。体温計をわたして熱を測るように云うと、体温計は「39度4分」の目盛りをさしてもどってきた。落ちつくために、「さんじゅうくどよんぶ」と、ゆっくりつぶやく。落ちつきついでに思いだしてみたのだが、このひとはこの1年以上風邪もひかず、元気でいた。
「部活は休まなくちゃね。病院に行って、少なくとも明日までは寝ていること。……たのしんで」
 そう云いながら、彼女の風邪のひとつの原因をつくったのは、わたしだろうか、と反省する。地震の起きたあと、家の暖房器具をすっかり片づけてしまったことを「ひとつの原因」だと思って。そうかもしれないし、そうでないかもしれないのだが、仕方なかった。
 病院での診断は、ひき風邪。インフルエンザではなかった。これで、ますます「わたしのつくった原因説」が大きくふくらんだわけだが……。仕方なかった。
 おじやを「ふたくち(2)」、すりおろしたりんごを「みくち(3)」食べてクスリを飲み、眠る。すっかり眠ってしまうまでのあいだ、うんうん唸っている。熱と闘っているんだな。



 きょうふたつめの驚き。
 ベランダのプランターの水仙が咲いたこと。
「ありがとう、わたしもがんばるね」



 夕方、末の子どもの寝室を覗くと、幾分すっきりした顔になって、『スラムダンク』(※)を読んでいる。けっこうだ。再三再四すすめてきた『スラムダンク』をやっと読む気になったこともだけれど、今朝「風邪をひいて寝ていなければならない2日間を、たのしんで」と云った意味をわかってくれて……。
「ね、どこまで読んだの? もうミッチーは出てきた?」
 そう尋ねながら、もううるうるっと目にほら、あの、涙があつまってきている。
「出てきてる、いま、ほら」と布団のなかから8巻がさし出された。
 あ、安西先生だ。「最後まで希望を捨てちゃいかん… あきらめたらそこで試合終了だよ」
 これ、紙に書いて貼っておこう……。



  最後まで
  希望を捨てちゃいかん…
  あきらめたら
  そこで
  試合終了だよ



 きょう3つめの驚き。 晩ごはんのおかずのひとつに、夫がつくったきんぴらごぼうがならんでいたこと。きのうの晩、つくってみたそうだ。ごぼうのささがきができないから、「ごぼうだけ、さっと茹でてからきんぴらにしたんだけど、どうかな」「すごい!」



 きょう4つめの驚き。 夫のこしらえたきんぴらごぼうが、とても美味しかったこと。



※『スラムダンク』(井上雄彦著・集英社 ジャンプ・コミックス)全31巻
 この漫画のことは、何度も何度も書いてきたので、「またか」と思われる読者も少なくないと思います。バスケットボールの漫画ですが、バスケットボールにまったく縁のないひとでも、たのしみ、元気づけてもらうことができます。
 とにかく14年前、小学6年生だった長女の枕元に『スラムダンク』全巻をならべて去っていったサンタクロースには、とても感謝しています。



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「ありがとう」の、水仙です。







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最終更新日  2011/03/31 01:14:51 PM
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