型に はまらぬ 型屋の話
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仕事ネタをひとつ。「鋳物を枯らす」とよく聞きます。工作機械の土台などは、鋳鉄で作られることが多いですけど、どろどろに熱く溶けた鉄を鋳型に流し込み、固まった後、すぐ加工して仕上げることはしません。それは塊の中に、金属の持つ応力が存在し、折角仕上げても、変形してしまうからで、それを年月をかけて取り除くのが「枯らす」事です。外にほっぽらかし、春夏秋冬の寒暖の差の中で、十分に金属をくたびれさすのです。そうした後の鋳物は、変形が少なく、精度が維持されます。測定に使うブロックゲージなども、その工程が不可欠で、実際に自分でダミーのブロックゲージを作ると、夏と冬で寸法が違うことがはっきり分かります。枯らしてませんからね。よく街中で、外に出っ放しのプレス機とかありますが、あれは捨ててあるんじゃありません。枯らしているんです。素人にまじめな顔で話すと「へえ、さすがですね」と言われます。(そんなわけないじゃん、ククク。)「枯らす」とは私の好きな言葉の一つですね。工業でさえも、自然の摂理を無視しては成り立たない感じです。うちの社長も、もう少し枯れて欲しい、と思い書きました。(つづく)
2007.09.15
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