おかあちゃん3


ポータブルトイレ、車椅子をレンタルした。
家のお風呂、階段にも手すりをつけた。
今でなら介護保険というものがあるが当時はなく、
全て自分達で調べて&準備しないといけなかった。
家に帰ってきたおかあちゃん。
入院前とはすっかり姿は変わってしまっていた。
コバルトの副作用でやせ細ってしまった身体や顔。
手術&コバルトで5部刈りとなってしまった頭。
麻痺&骨転移により変型してしまった右手足。
でも笑顔は前のままのおかあちゃんだった。
退院祝いとして、ずっと食べたがってたお寿司とビールを夕飯にして
家族揃ってパーティー。
退院してから1週間後、退院後検診に出かけた。
検査をすると2クール目のコバルトがまだ効果を発揮しており、
癌細胞の増加は見られず。
副作用である食欲も少ないながらもある、血液検査でも白血球は大丈夫。
ドクターのお墨付きをもらい、家に帰る。
退院して1ヶ月が過ぎたころ、おかあちゃんがずっと行きたがっていた
岡山への日帰り旅行も実現する。
しかし、楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。
年末年始を過ぎた辺りから骨転移をしていた右腕の変型が
ひどくなってきたのだ。
そう、転移が広がっているのだった。
次第に痛みも出てきて、痛み止めの内服&軟膏を使用しても、
気休め程度にしか効かない。
退院してすぐは家の2階まで自分で移動できるほどだったのが、
ベットから起き上がるのも難しくなってきていた。
本来ならこの段階で即再入院!である。
しかし、退院時に「次の入院は最後になります」と言われたこともあり、
姉妹みんながぎりぎりまでおかあちゃんには家にいてもらいたい!と
思っていた。
なんとか毎日を乗り越えてきたが春が近付くにつれ、食事が全く
取れなくなってきてしまった。
ベッドからも起きあがれない。
私達姉妹にも介護の限界を感じてきた。
再入院。恐れていたその日がきてしまった。
退院からたった6ヶ月でその日を迎えた。

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