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おおよそ、手描き友禅と言えば筒描き。着物の歴史で筒描きは中途参加、絞りや素描、ローケツの方が先輩です。宮崎友禅斎が始めたという友禅は、筒描きで染料が横に浸透していかない様にしたもの。道具はこれ。茶色の円錐形をしたものが筒紙、和紙に柿渋を何回も塗って強くしたものです。手前右手にあるのが中金、筒紙の中に既に入っています。手前左側にあるのが先金、ショープペンシルの先に似ています。この先金を、中金が入っている所に差し込んで、中に糊を入れて絞り出し、ケーキのクリームを絞り出す様に使います。この先金、素材は真鍮でくり抜いて作っているのですが、作る職人さんはほぼ絶滅状態の様です。工房でもその為、買い込んであります。現在、この道具で防染剤として使われるのはゴムが主流ですが、昔は餅米の糊。今では高級な友禅はこの糊糸目を使っているものが大半となっています。着物ではありませんが、糊糸目を使ってこんな物を作っていました。これは多分、布団に使われたものだと思います。筒描きで糸目を引き「獏」の所を彩色(もちろん植物染料で)糊伏せ(裏面からも)して藍染したものです。出産のお祝いでしょうか。糸目には昔ながらの「糊糸目」、近代に入って席巻した「ゴム糸目」がありますが、鬼っ子として「一珍糸目」があります。小麦粉を主原料にした糸目は割れて落ち易いので、糸目と彩色を同じ人がやらねばなりません。その故に量産の為、各工程が専業化した現在では幻の友禅となっています。我が工房は糸目も友禅も両方出来るので、「一珍友禅」が出来る数少ない工房となっています。そして、工房の主な糸目である「金糸目」我が工房以外にも金糸目を使っている工房は少しだけ。友禅以外にこの金糸目を使ったものはこれ「金彩」筒描きの金糸目で金線が引いてありますが今、金彩を施している所です。出来上がりがこれ数種類の金粉を使って色の変化を付けています。筒描きの一説、まだまだ奥は深いですぞ。
2009年01月11日
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着物に使われる柄は様々。草花に代表されるも、小道具や四季に関わる風物など沢山あり過ぎて、紹介しようとすれば何年もかかることでしょう。そこから、少しではありますが気になる柄から紹介を始めていきたいと思います。今日は「源氏香」源氏物語と直接の関係はないのですが、聞香での一種の遊びである「組香」にその名を利用したものです。五種の聞香でその香りの異同を当てる図を書き記したものが「源氏香」という訳です。正式の組香「源氏香」では五種の聞香当てを五回行なってその当たった数を競うのです。宇治で良く行なわれる茶歌舞伎と良く似ています。つまり、一回目の聞香と三回目が同じ香、二回目四回目五回目が同じ香だと「匂宮」になる訳です。組香の席では折り畳んだ和紙にこの「匂宮」と書き入れます。縦五本の組み合わせですが、四つの聞香を競う「系図香」や三つの聞香を競う「三種香」が有り、それぞれ縦棒の頭を結ぶ形で表現しています。この源氏香を素材にした友禅に使われる「源氏香」の草稿図案の一部です。
2008年03月14日
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呉服屋さんは全国にわんさとあります。大分減ったと言われていますが。その呉服屋さんとは違って全国に京染屋さんと言うのが沢山ありました。お客様には先に白生地を売っておいて、必要な時に誂えの見本帳からお客様が柄を選んで京都の染屋さんへ発注するというものです。誂えだけで儲からないと呉服屋さんの様に出来上がった着物類も販売する様になっていました。その注文を受けていたのが京都の誂え悉皆屋さん。有名なのが一度破産した「ホリケン」さん。お得意先の数が圧倒的に多かったので、誂え以上に呉服の販売高が多くなって何処で道を間違えたのか倒産する事になりました。ホリケンさんの販売する量が半端でなかったので、京都の製造卸問屋はこぞってホリケンさん詣でに勤めた程です。それほど、「京染屋」さんの数も販売量も多かったと言う事です。しかし、京染屋さんは減りましたね。何にも噂を聞かなくなりました。誂えの見本帳や枡見本のブックを販売する染工場も激減。一年に一度発表する展示会はみやこめっせでいまだに開催だけはされている様ですが。読者の皆様の近くに京染屋さんが存在していますか?殆ど見かけなくなったか、呉服屋さんに変身したかのどちらかだと思います。時代はどんどん変遷していますね。さて、話は変わりますが、今日福岡からお客様が来られました。奥様が八十才の老夫婦。昨年三月にお越し頂いたとの事でしたが、憶えていませんでした。その時見た「遊小紋」を見て、次回来るときは注文しようと考えていたとか。このお年でお茶を嗜まれるとか、その仲間では最高齢だとか。遊小紋の注文を頂いた後、昨年発表した売出しの特価品が一反残っていました。半額セールの作品は売出しの後、一旦は適正価格に変更しましたが全ての作品を遊小紋並の価格設定に変更する事に。しかし、半額以下にしたものはそのまま店頭に並べてあったのです。以前の価格が十万円余りであった物が三万八千円ですから圧倒的な安さです。結局、遊小紋とその特価品をお買い上げ頂く事に。店頭販売での高齢の新記録でした。
2011年03月04日
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