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2010年10月30日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日、工房を訪れたのは昔我が家に下宿していた事のある旧友。
その昔、桐生から西陣織の研究に京都へ技術留学していた人が我が家に下宿していました。
桐生の織物屋さんの社員であった彼は西陣の技術を学ぶ為に数年京都に住む事になったのです。
その桐生の織物屋さんの息子さんが私の後輩だった縁で我が家に下宿する事になったのです。
もの凄く回りの人に愛される性格は京都に沢山の友人を作り、桐生に帰る時には沢山の人が集まって我が家で送別会をした程でした。

ところが、彼が帰ってから数年後、その織物屋さんは行き詰まりを先取りして廃業。
彼はその研究した技術を発揮する事無く、呉服と関係の無い業種へ再就職してしまいました。
それでも、研究した事は忘れず何かに付けて織物に感心を寄せていたのです。

会社勤めは六十歳で一応定年、今は嘱託として勤めています。


なんと手機の織機を二台手作りで作り上げたのです。
糸は少なくなったとは言え着物の産地である事から友人から手に入るとか。
真綿も混ぜた糸は自宅の草木を利用して草木染めをします。
今日見せてもらった織物はベージュっぽいグレー。
冬場に剪定した柿の木の小枝を使ったそうです。
これが凄い質感、素晴らしいの一言。
紬の風合いがありながら、結城の様にまとわりつく感じもなく艶やかで肌触りもすべすべ、質感の高さを感じるのです。

草木染めで染めた糸はこれも友人に頼んで整経、これで機にかかります。
手機ですから一反織り上がるまで延べ一週間余りかかります。
会社が終わってから食後、二時間程織るそうです。
気の遠くなる程時間がかかります。


この価格が約二万円、全てが日本製ではないと言っていましたがその価格なら当たり前です。
草木の原料を庭から採集して糸染め、友人に頼んで整経する縦糸は1300本余り。
土日や晩の一時を使って何ヶ月も掛けて織り上げた着物は夫婦で着ているそうですが、頼まれた友人等にもお分けしているそうです。

その手織りの着物の一部(9メーター、二丈余り)を京都に着たついでに持ってきてくれたのですが、肌触りと言い、風合いと言い、抜群なんです。
流石、手織りと言うものは良いものが出来ると感心しました。

家内はその色と生地の質感から手を離そうとしません。
「パッチワークを使ってでも自分の着物にしたい」と。
巾も広めだったので私の羽織にしようと思っていたのですが。

彼は求められるなら、いつまで続くか分からない嘱託ですから、趣味と実益を兼ねて手織りの着物を販売してみようかとも考えている様です。
弟も自分の着物用に欲しいと言い、予約していました。

ブログに載せる写真では質感が出せないのでお見せ出来ないのが残念です。
良い写真が撮れたら掲載するかも知れません。

この手織りの着物、販売価格は十万円を切るつもりだとか。
手織りの着物としては無茶な安さだと思います。





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最終更新日  2010年10月30日 21時33分14秒
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