二代目大家の日々。

二代目大家の日々。

2015.09.01
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カテゴリ: リタイア生活
地下鉄で半落ちして眠りこけていたら
隣りの男のイライラした声で目が覚めた。
「君、分かってる? その言葉、5回目!」

隣りに座っているので男の表情が覗き込めない。
30代のカップルだろうか?
か細い声が男の向こう側から聞こえてきた。
「ごめんなさい」

二人とも夏の定番Tシャツとジーンズ。
寝苦しい夜が続いてストレスが溜まっているのだろうか?


「ごめんなさい。私にはどの言葉が5回目か、わからない」
「そう....」
「だから、私に分かるように説明してもらえませんか?」
「.......」
「どの言葉が5回目なのか教えてください」
「.......」
「すみませんが、どの言葉が5回目でしたか?」
「.......」
「どの言葉が、5回目だったのですか?」
「.......」
「どの言葉が、5回目ですか?」


男が一息ついて、答えた。
「どの言葉が5回目、という言葉が5回目なんだよ」

ありゃま、私はひっくり返るかと思ったね。
こりゃあ、日本語が通じていない。
私は前の会話から聞いていないから

これでは何の答にもなっていない。

女の知りたい答えは
「どの言葉が5回目」を発する前に、5回も発した言葉だ。

脳は一度発した疑問に答えが出るまで
何らかの答えを探し続ける。
意外な回答をもらって、女の脳は混乱しているに違いない。
男は自分が正しいと思っているみたいだけど
本当は男の言葉がますます混乱を増幅させているようだ。

不毛な会話の後の
不気味な沈黙を座席に残して、私は到着駅で降りた。





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最終更新日  2015.10.20 18:43:46
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小場 三代

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