読書の部屋からこんにちは!

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2007.05.30
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カテゴリ: 小説
また読みました。源氏物語の周辺本。
この「恋のからたち垣の巻」は、田辺聖子さんの源氏+ヒゲの伴男シリーズの3冊目です。田辺聖子さんのあとがきでは、1冊目の「私本・源氏物語」は原典にかなり近く、2冊目の「春の目覚めは紫の巻」は変奏曲。と書かれていますが、この3冊目、内容は源氏物語とはかなりかけ離れています。

私本・源氏物語
新私本源氏・春の目覚めは紫の巻
異本源氏物語・恋のからたち垣の巻


ストーリーは、これまでどおり光源氏とヒゲの伴男が活躍するものの、現代の世相を平安貴族風におきかえた、ユーモラスなものです。
源氏が遠目に見て一目ぼれした柳襲ね(やなぎがさね)の美女を探してみれば、60過ぎの金貸しばあさん。「やーれやれ、暑かった」と大声を出す、そのだみ声のおそろしさ。そんなスケベでマヌケな中年男の源氏。

またあるときは、端然とした憂愁の貴公子源氏より、おかしいカワユイお笑い系の男が好きなきょうびの姫君たち。源氏はスットコドッコイと踊るばかり。

人気作家である紫式部も登場します。「縁に近いところに机を持ち出し、一心に筆を走らせている。眉間のあいだにしわをため、髪もぼうぼうに乱れ、頬はこけ、机の周りには書き損じたのか、破ったりひねったりした紙がいっぱい。」(これって、著者本人の様子なのか?)
この紫式部、ヒゲの伴男にあん摩してもらいながら取材に余念なく、アルバイトに姫君たちの恋文の代筆などもしています。

読み進むうちに、これは源氏とヒゲの伴男と紫式部の姿を借りたカモカのおっちゃんとお聖どんなんだなあと思いました。
平安のみやびを借りた中年のぼやき、おもしろかったです。





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Last updated  2007.05.30 08:47:58
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