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AFP通信によると、トルコのエルドアン大統領は二十日、クーデター未遂を受け、三カ月間の非常事態を宣言した。エルドアン氏は首都アンカラで演説し「クーデターに関与したテロ組織の関係者を速やかに排除するため」と宣言の目的を説明。憲法の規定の範囲内で民主主義から逸脱する措置ではないと強調した。
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ロイター通信によると、宣言を受けて大統領や内閣は、国会に諮らなくても新しい法律を施行する権限を持つことになる。必要だと判断すれば、市民の権利や自由を制限したり一時停止したりすることもできる。
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大統領を議長とする閣僚会議が、国会の審議を経ずに法律と同等の効力を持つ政令を発布できるようになるということだ。議会が完全に機能停止した状態で、大統領が命令を下せるようになるというのがこの非常事態宣言の特徴である。
これに対して欧米諸国は非常に懸念を強めている。そもそも今回のクーデターは未遂に終わったことで、トルコ分裂という最悪の結果は免れることができたが、ややこしいのが軍部がむしろ世俗主義と民主主義を擁護する立場で、エルドアン大統領の方がイスラム教を政治に持ち込もうとして政府の権限を議会よりも強めようとするという立場であるということだ。
クーデターを取り締まるということで、どんどんエルドアン氏の権限、あるいは政府の権限が強まっていく可能性が出てくる。
そんな中で出てきた非常事態宣言だが、今後これによりトルコ政府の権威が強まって民主主義への抑圧が強まったらどうなるかということだが、まず対外的な影響が出てくる可能性が指摘されている。
当面は、欧米やEU諸国はトルコ国内の安定のために、エルドアン大統領を支持すると思われるが、強権政治の度が過ぎると当然欧米やEUとの関係は悪化する。こうなると例えばEUにとっては、移民政策でトルコと協力関係を結んでいるが、これが反故にされていくかもしれない。それによって大量の移民や難民がまたEUに流入する可能性がでてくる。移民問題というのは、EU分裂の引き金になることが懸念されている非常に深刻な問題なので、EUそのものの不安定化にもつながることになる。
もう一つは、米国との関係が悪くなると、ISの掃討作戦に影響が出てくる可能性がある。トルコはNATOのISのに対する空爆の拠点になっていてるため、関係悪化により軍事活動も齟齬をきたすよういになり、ISに対する掃討作戦にも影響を与える可能性が出てくる。
国内的には非常にトルコは対外債務残高が大きくいびつな構造を持っているため、国際関係が悪化すると国内的にも経済が悪化し、それが更に政情不安になるという悪循環も考えられる。
トルコのクーデター未遂も大きな出来事であったが、その後の状況を見てみるとトルコのエルドアン大統領が非常事態宣言を出すということによって、いろいろな対応を行っていくと言われてる。
一度非常事態宣言が出されると国会を図らずに法令を施行することができる、要は法に匹敵する政令を出すことができるようになる。そうすると、議会の承認抜きに権利が大統領のもとに一手に委ねられることになるので、いろいろな法律と準ずるような命令が出し放題になってしまう。例えば人権などである程度制限されるようなことが許されてしまう状況になってしまう。まさに、これは日本の国家緊急権(緊急事態条項)をめぐる議論と非常に似ているように思える。
この国家緊急権(緊急事態条項)とは何なのかというひとつの例が、トルコで今まさに起きようとしている。
実際に、クーデターを失敗したことに対して、クーデターに関与した人たちに関するさまざまな処分を行っていくと見られているが、どうもエルドアン大統領はクーデターに関わった人物ということだけでなく、政治的に相対する人たちに対しても何かしらの便乗処分的なことをしないだろうかという疑念が出てくる。そうした中で非常事態宣言が出されると、非常に大きな権限が与えられるということになるため、これが緊急事態条項的なものに関して心配な側面もたくさんあるということになってくる。
民主主義の国家においては、国民の権利を侵害しないように憲法などで定めて政府に対しては一定の縛りをかけるというのが役割だが、その民主主義社会が機能するためには、場合によっては国家により大きな権力を委ねるようなことが必要な場面もあることは論理的にはわかる。しかし、政府が正しく適切に仕事をしてくれるのか、民主主義的手続きを経る以上により良い仕事をしてくるということを期待できるような状況でなければ、緊急事態条項であるとか、非常事態宣言といものは機能し難いものになってしまう。つまり、独裁者、もしくはそうでないにせよ党利党略で自分の利益というものを追及するあるいは、判断を誤る人がトップについてしまうこともありうるので、そうした時にどうなってしまうのかを考える上でも、今回のトルコのケースはクーデター未遂というところがクローズアップされたが、その後の政治体制の変化だけではなく、その後の政治運用につても注目をしなければならない状況になってきた。
・トルコのクーデター失敗 政権が黒幕とみる「ギュレン派」とは? - THE PAGE
https://thepage.jp/detail/20160717-00000002-wordleaf
・懸念される米国とトルコ両国関係 - アゴラ
http://agora-web.jp/archives/2020388.html
・トルコ基礎データ - 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/turkey/data.html
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