幸せ探し

幸せ探し

2020年01月10日
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カテゴリ: 私のすきなこと


曲輪文章(くるわぶんしょう)
豆知識
江戸前期に実在した名妓夕霧は京都島原から大阪の新町に移り全盛を極めたが、20代で夭折。死後に歌舞伎や人形浄瑠璃で追善劇が上演された。
これは夕霧の没後35年目に当たる正徳2年に近松門左衛門が手掛けたとされる「夕霧阿波の鳴渡」の上巻を一部書き換え独立させて1幕ものに仕立てた作品

吉田屋の段
暮も押し詰まった吉田屋(揚屋)の店先で使用人たちがにぎやかに餅つきをしている。
そこへ豪商藤屋の跡取り息子伊左衛門(いざえもん)が、深編笠に紙衣(かみこ=和紙をこんにゃく糊でつなぎ合せ,柿渋を塗って乾燥させたうえ,もみほぐしてから縫った和服。防寒衣料または寝具として用いられたもの。絹物よりは安価であった)を着て登場する。
伊左衛門は遊女夕霧となじみを重ねて放蕩し、莫大な借金をしたために勘当されたのである。
伊左衛門は吉田屋の主人を呼び出したが、主人は勘当以来姿をみせなかった伊左衛門の来訪を喜び、部屋にあげて昔と同じように接待する。
紙衣というみすぼらしい姿ではあったが、伊左衛門は昔と変わらず鷹揚な様子であった。主人夫婦の昔の誼を忘れない態度に涙ぐみ、夕霧の様子を尋ねる。
夕霧は伊左衛門が勘当を受けて、会うことができなくなったことを気に病み、一時は重い病にかかったが、今は回復してきていると話す。

主人夫婦は伊左衛門をなだめ、二人であえるように取り計らうからと席を立つ。
隣の部屋から流れてくる音曲に、伊左衛門は布団に横になりうたたねをする。
夕霧は座敷から抜け出てきて、伊左衛門に話しかけるが、すねている伊左衛門は寝たふりをしている。無理に起こしたらまともに顔も見ないありさまで、夕霧は「あなたに会えないことを気に病んで、一時はどうなることかという重い病で、いつか会えるという気持ちをささえに今日まで命をつないできたというのに、つれない仕打ち」とかき口説く。
ようやく伊左衛門も納得して心が通じ合ってきたところへ、主人夫婦が、伊左衛門の勘当が解け、夕霧も身請けしてやろうと親元より話が出たと駆け込んでくる。
これでめでたい初春が迎えられると一同が喜ぶ。







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最終更新日  2020年01月10日 08時30分05秒 コメント(18) | コメントを書く
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