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2013.03.05
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3/5千葉日報の社説「情報は有料である」。
社説の内容には概ね同意なんだけど、社説内で言っているのは「洗練された付加価値のある情報は有料である」ってことでしょ。
そして、そんなことはみんな理解しているから、売れる情報と売れない情報があるんですよ。
ただ単にスポンサーの言うがままに商品紹介している雑誌なんか売れるはずがない。
本当に使用したのかどうかもわからないような「使ってみての感想」なんて見抜かれて信用をなくして見向きもされない。
すぐに消えるような「最新の話題」「最新の情報」なんてカネを払う価値を見いだせない。

「137億年の物語」は、最新情報を満載したわけではなく、今までの情報を複合して洗練して理解しやすくした「だけ」の本。
でも、十分に売れた。
日本の高学歴な編集者が好む「難解な情報を絢爛豪華に飾り立てた本」ではなく、読み手のことを考えた本だから売れた。


リチャード・ドーキンスの「世界の秘密」も売れ行きが良い。
この本は、これまで作者が発表した本をわかりやすくした「だけ」の本。
でも、読み手が欲しかった本。
これまでのドーキンスの本を読んで感銘を受けた…けれども、それを他人に説明したいけれどできない…という人が欲していた本。
「難解な情報をありがたく拝聴する編集者」には生み出せない本。

どちらも大判で読みやすい。値段は安くはない(中身との比較ではなく、実際に払う金額として)。
千葉日報の「不景気で文庫化を待つから売れない」という社説にそぐわない。
勿論、これまでの日本の出版業界の考えでは、この2冊はもっと高価な値段を付けて売っていただろうし、十二分に安い値段がついていると考えているだろう。
しかし、ここで重要なのは、単に「高いから売れない」「安いから売れる」という考えで書籍を捉えてはいけないということだ。

一万年堂出版の子育てハッピーアドバイスが、新刊を出版した。
これまでに何冊か出版されているが、いずれも売れている。

内容に目新しいものはなく、これまでの育児書に沿った、基本的な事柄をまとめた「だけ」の本とも言える。
しかし、その「わかりやすさ」が読み手を引き寄せている。
「言い回しが難解でわからない」「読んでみたが、自分の捉え方(理解)が正しいのか自信がもてない」ような育児書。
母親の立場で言うなら、「乳児湿疹のお手入れは~」と説明されても、果たして自分の子供に起きている湿疹が乳児湿疹かどうかがわからないのだ。
『最新の育児事情!!』などと言って、奇異な目新しさだけを追求して、半年後には「そんなコト言いましたっけ?ウフフ」と開き直り様な育児雑誌。

しかし、一万年堂の子育てアドバイスは、「不安を煽らない」というだけでも素晴らしい。
「なにをどう理解して言ったら正しいのかわからない」母親たちの要望に沿う内容だから、子育てハッピーアドバイスは版を重ねて売れている。
イラストも素晴らしい。わかりやすく腹が立たない。
世の中に多々ある子育てマンガの中には、母親が子供を叱るシーンを誇張して不愉快になるものもある。
また、子供の悪いところを誇張しすぎているものもある。
おそらく、マンガとしての面白さを追求した結果だろうが、子育てマンガとしては不合格と思われる。
子育てハッピーアドバイスのイラスト(マンガ)は、子供の描写も母親の描写も不愉快でなく受け入れやすい。
「商業的な面白いマンガ」としては不合格かもしれないが、子育てマンガとして成功している。

「137億年の物語」が、紙質を向上させ、ハードカバーにして、高価な本にしたら、ここまで売れなかっただろう。
「世界の秘密」が、大判でなく、B5サイズの単行本だったら売れなかっただろう。
子育てアドバイスは「明橋&太田」の両氏の組み合わせでこそ、売れたのだろう。

どうか、消費者に良い本を提供して欲しい。
消費者は良い本を買いたいと待っているのだから。




千葉日報は、ネット上の無料で閲覧できる情報が出版会を衰えさせているという考えだが、それこそ、消費者を馬鹿にしているというものだ。
ネット上に溢れる無料で提供できる情報ごときに負けてしまうような書籍であれば、それは粗悪な情報でしかない。
ネットで「簡易に理解しやすく情報を提供」ということで、代表的なものは「やる夫でわかるシリーズ」がある。
確かにわかりやすく簡略化されているが、この程度のもので売れなくなるようなら、最初から出版する必要がない。
また、ネットで「才能の無駄遣い」とタグがつくようなものもあるが、これもまた、製品化(商品化)に至らない。
これらの「商品化に至らないが楽しめる」ものによって、消費者の目が肥えていくならば、それは嘆くことではない。
そして、その傾向は日本だけではなく、ネット上で世界的にみられている。
ネット上で「無料で提供されるものによって消費者の目が厳しくなること」を害悪と捉えていては、日本での魅力ある作品作りは途絶えてしまうだろう。





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最終更新日  2013.03.05 14:00:11
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