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2017.09.14
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磯田先生の古今あちこちはいつも楽しく読ませていただいてる。

9/13付の「鼠小僧」。
これは、「磯田先生は潔癖症だなぁ」と。

さいとうたかおの劇画なら、間違いなく、鼠小僧は新資料を参考にしたままでも「義賊」のイメージだっただろう。

屋根裏に潜んで、武家女子の用足しをみているなんて、さいとうたかおなら面白おかしく表現したと思う。
もちろん、現代社会に置き換えれば、女子トイレに潜んで排泄行為を覗き見するなんて気色悪いに間違いない。
磯田先生の「雪隠に潜んでるなんて気持ち悪い」って感覚は正しい。
そこを面白おかしく、ときにはひょうきんな描写にしてしまうのは、表現者の技量なんだろう。

しかし、鼠小僧に関しては「忍者の末裔」って話もある。

そして、忍者の潜む場所って意味では、便所(雪隠)は標準的な場所(らしい)。

暗殺を目的にした忍者は、丸腰になることが多い風呂場か便所を狙ってた。
風呂場だと部下がいるけれど、便所では丸腰で独りになる。
そこで、便所の屋根ではなく、穴のなかに潜んで、尻から刺したって話。

もし、鼠小僧が忍者の末裔なら、機会を窺うために便所に潜むっていうのは、そんなに変態行為じゃないのかも…。
って書きながらも、まぁ、鼠小僧=忍者って説は否定的なモノなんですけどね。

女性の寝所に忍び込んで匂いをかぐとか、女の部屋を窺うとかって、現実的に考えたら気持ち悪い。
でも、漫画,講談の登場人物で置き換えると、あんまり憎めなくなるから不思議。
盗んだカネが女中や奥方っていうのも、潔癖でフェミニストな磯田先生からすると「か弱い女性からカネを奪う」って見方になる。
でも、さいとうたかおにかかれば「旦那『なぜ、そんな大金をお前が持っているのだ』って訊かれたら困るようなカネだから盗んでも大丈夫」って話に置き換わるかも。
『なかには本当に綺麗なオカネで被害を表に出せるものもあっただろうけど、「なぜ女中がそんなオカネを持ってるの?」なオカネもあっただろうなぁ』って発想が義賊説につながるとかね。



これは「古文書に見る江戸犯罪考」でも指摘されてた。
でも、その事実に対する評価が対照的。
潔癖な磯田先生からみると「酒や博奕に消えて庶民にバラまかれたわけじゃない」って話になる。
それが氏家先生にかかると「パーっと使って庶民にバラまかれた」って話になる。

『宵越しのカネは持たねえぜ』な江戸庶民の経済感覚でいえば、カネは入った端から使うのが経済を廻すってコトになる。


磯田先生の連載は楽しいし、磯田先生も庶民の生活にいろんな思いを馳せて、いろんなことを書いてるのは知ってる。
今回の潔癖な磯田節も、磯田先生らしくて楽しく微笑ましい。

でも、昭和の時代劇が好きで、さいとうたかおの時代劇漫画が好きな自分は、「宵越しのカネは持たねえよ」と、大名屋敷から盗んではパーっとカネを使い切る鼠小僧が憎めない。
そんな「憎めない気持ち」が、「義賊」になってるんじゃないかと思う。





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最終更新日  2017.09.14 16:57:05
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