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紆余曲折の人生さすらい旅人PENBIRD
book 2002
2002年 読書HISTORY
事実は小説より奇なり とはよく聞く。
小説は作られた世界、虚構の世界ではある。人生のある一つの事実の姿が選ばれ
一つの世界が構成される。従ってそれは事実そのままの世界ではない。
しかし、単なる事実よりも、もっと 人生の真実を際立たせた世界なのである。
つまり、小説とは 起こりえる現実があってこそ、成り立つ作られた世界なのである。
芥川龍之介がこう述べたそうである。
「嘘による以外は語れない真実もある」
とにかく、小説の一部は、人間が暮らす上での核心に迫ったものがある。
お勧め絵本*のぶみ*
DEC10---13
『月光の東』 宮本輝 1998 中央公論社
DEC9---10
『セイロン亭の謎』 平岩弓枝 1994 中央公論社
DEC8---9
『「少年A」 この子を生んで・・・』 少年Aの父母 1999 文藝春秋
DEC1---
『されど君は微笑む』 北方謙三 2000 角川書店
NOV27---30
『美しい子ども』 石田衣良 2001 文藝春秋
OCT29---NOV5
『氷雪の殺人』 内田康夫 1999 文藝春愁
OCT22---28
『理由』 宮部みゆき 1998 朝日新聞社
OCT6---OCT22
『模倣犯』上下 宮部みゆき 2001 小学館
AUG21---26
『R・P・G ロールプレイイングゲイム』 宮部みゆき 2001
AUG19---20
『東京下町殺人暮色』 宮部みゆき 1994 光文社文庫
AUG12---19
『龍は眠る』 宮部みゆき 1991 出版芸術社
AUG8---12
『沈まぬ太陽(一)アフリカ篇・上』 山崎豊子 1999 新潮社
AUG4---8
『火車(かしゃ)』 1992 宮部みゆき 双葉社
AUG4---
『エンドレス ピーク』 1996 森村誠一 角川春樹事務所
AUG4---5
『淋しい狩人』 1993 宮部みゆき 新潮社
AUG4---4
『今夜は眠れない』 1996 宮部みゆき 中央公論社
AUG1---3
『川の深さは』 2000 福井晴敏 講談社
JUL31---AUG1
『夢にも思わない』 1997 宮部みゆき 中央公論社
JUL24---31
『レベル7』 1990 宮部みゆき 新潮社
JUL14---24
『蒲生邸(がもうてい)事件』 1999 宮部みゆき 光文社
JUL9---13
『恋』 1995 小池真理子 早川書房
APR6---23
『二つの祖国』 1983 山崎豊子 新潮社
MAR21---APR2
『ワイルド・スワン』1993 WILD SWANS Three Daughters of China JUNG CHANG
ユン・チアン 訳土屋京子 講談社
MAR15---
『花墜ちる』 1990 連城三紀彦 角川文庫
MAR3---14
『大地の子』 1994 山崎豊子 文春文庫
FEB27---28
『天国まで百マイル』 1998 浅田次郎 朝日新聞社
FEB23---MAR2
『道ありき』 1969 三浦綾子 新潮文庫
FEB19---MAR2
『ロンリーハート』上下 2001 久間十義 幻冬社
FEB16---19
『ねじまき鳥クロニクル 第二部 予言する鳥編』 1994 村上春樹 新潮社
FEB11---16
『オーマイガッ Oh! My God』 2001 浅田次郎 毎日新聞社
FEB10---11
『ねじまき鳥クロニクル 第一部 泥棒かささぎ編』 1994 村上春樹 新潮社
『川の深さは』を読んで *心理テスト*
『蒲生邸事件』を読んで *人は無力だ*
『模倣犯』を読んで *読み始めて*
『模倣犯』を読んで *読み終えて*
『天国までの百マイル』を読んで *幸福はお金で買える*
2002.3.14
大地の子
「満州国」にはまるで未来があるかのように「新日本地を開拓しよう」などといううたい文句を掲げ、日本政府は 田舎の農民に、満州に向かうように圧力をかけた。もし、満州に行く者がいなければ、その村には補助金がおりないという卑怯な手も使った。農民は、満州開拓団として中国に向かう者は徴収されない、ということだけが頼みの綱で、家族を引き連れて満州に向かった。しかし、否応なしに徴収を強行された。それでも、残された日本国民は関東軍が守ってくれる、そう信じていた。そして、終戦、残された妻や子供達は、棄民となった。
以下は、『大地の子』の中の一部である。
「関東軍は、ソ連軍の追撃を阻むために、橋や道路を破壊して、老幼婦女子の開拓団員が南下する退路を断ち、関係者のうち、八万人もの死亡、行方不明者を出したのだった。戦争終結にあたって、国家が全力を挙げてすくわなければならぬ同胞、それも最も弱者である開拓団の老幼婦女子を見殺しにしてしまったのだ。
その上、戦後三十五年目を迎えても、それらの人々の屍は大陸の荒野に野ざらしのままであり、辛うじて生き残った子供たちは、戦争孤児として、日本政府から放置されたままである。開拓団員とは、当時の日本国内の人口、食料問題の解決のために満州へ送り出された貧しい小作農民とその家族達で、国家の政策に騙されて、大陸の荒野にうち捨てられた棄民以外の何ものでもなかった。」
作者は 決して残留孤児という言葉を使わないそうである。
「残留という言葉には、意志があるでしょう。彼らには残留しようという意志はないのです。日本政府が国家として責任を回避したずるい名称の書き換えです。”戦争犠牲孤児”というのが正しい。そう思いませんか」
作者は、中国での取材を重ね、すべて本当に起こったことをもとに、この小説を書き上げたのだそうだ。点から線へ、そして線から面へ。だから、読んでいて、棄民として生きた 多くの戦争犠牲孤児達の様子が生々しく伝わる。
ありふれた言葉になるけれど、同じ過ちを繰り返してはならない。
しかし、どうやったら 今の時代に生きることがどんなに幸せなのか、今の子供達に伝えることができるのだろうか。
2002.2.28
天国まで百マイル
「幸福はお金で買える」
浅田次郎の『天国までの百マイル』で、女手ひとつ四人の子供を育て上げた70歳の母親のセリフである。
この母親は心臓の病気で命が危ないというのに、その息子二人と娘一人は案外ケロっとしたもので関わりになろうとはしなかった。末っ子の安男が この母親を助けようと ここで母親を助けることは自分の人生もやり直すようなことのような気がして 母親を百マイル先の病院への移送を試みる・・・
今は母親にも薄情な娘が、短大時代につきあっている人がいた。4年間つきあった。母親は結婚するものだと思っていた。ところが、娘はその男と別れた。なぜか。今の夫にプロポーズされたからだった。娘は幸福を探していた。それだけのことだった。今の夫は東大出の将来を約束されたエリート銀行員。前の彼は、中卒のウエイター。恋人になれても亭主になる資格はないってことだった。
人間の幸福とは惚れた相手と一緒になること。こんなことを言えるのは、贅沢な育ちをした人。とことん貧乏をすれば、幸福がお金で買えることが分かる。だから 娘は賢い選択をしたのだと 母親は言う。
生きるってことは、きれい事じゃない。
私の求めているものも、幸せ。お金でかえるのならすぐにでも買っている。
その買う対象が なかなか見つからないだけなのかもしれない。
2002
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