ルナ・ワールド

ルナ・ワールド

ナナの出身地:Nowhere Land


今日は知らない人にいっぱい会う予定だから、「ハーフ?」と聞かれる事も、いつもより多いかも。初対面の人に会うと、二言目にはいつもそうだから。今日はちょっと心のガードを高くして一日に臨もうと思う。

午後1時:私も行った高校の留学プログラムの昼食会場に着く。知らない人もいっぱいいる。もうみんな席に着いちゃってたあとなので、入ると視線が一斉に私に浴びせられる。恥ずかしい・・・。

午後3時:初対面の後輩に声をかけてみる。お互い自己紹介を終えるか終えないかのうちに唐突に、「ちょっと、失礼ですけど、パッと見外人っぽいって言われません?」と聞かれる。「本当に失礼だね。」と答えても、「えっ、でも日本人ですか?」としつこく聞くので、そうだ、と答えると、「でも、おかしいな。何か、ハーフかなんかじゃありません?」と聞いてくる。それを肯定すると、とたんに、「じゃー、留学する時もやっぱり英語とかもうできてたから、楽だったでしょう」と言って来た。周りが全て日本語の環境の中、必死で英語を教えてくれた両親の努力も、それを出来る限り受け止めようとした私の努力もなかったこと同然のようにされた気がして、不愉快極まりない。

午後7時:今度は国際交流会の会場。適当に入り口付近にいた優しそうな女性に声を掛けて、おしゃべりに興じる。しばらく話した後に、「失礼ですけど、ちょっと、その、ハーフ、とかですか?」と、聞きにくそうに聞いてくる。

午後7時半:最初の優しい人の元を離れちょっとウロウロしてると、ある女性がズカズカ寄ってきて、「どこの人ですか!」「エッ?日本の人です」と答えると、「えっ?ああ!ハーフの方ですか?」「ええ」と言うと、「あのー、どことどこのー」と、続く。何だか図々しくてイヤ、早くこの人から離れたい、と思う。別のおしゃれな女性二人組みに声を掛ける。「どこの人ですか?」と聞かれ、「日本人です」と言う。反応はもちろん、「えっ、ハーフですか?」

7:35「こんにちは。私、××という者です。あの、皆さんは・・・。お名前は?」
「私、○○です。」「△△です。」「ナナです。」「えっ、日本の・・・方ですか?」「はい。」「ハーフですか?」「はい」「どことのハーフですか?」・・・

7:45「あっ、こんにちはー。僕、×というんですけどー、あの、○人なんですけどー。えーっと、失礼ですけど、皆さん、どこ出身ですか?」「えっ、日本です。」(二人組みの女性、お互い顔を見合わせながら)ナナが「えっと、みんな・・・そうです」と付け足す。(ナナの方を向いて)「えっ、日本の方ですか?」「そうです」「えっ、ハーフとかですか」「はい」「えっ、どこの国との・・・」

7:53「こんにちはー」「え~と、皆さん、今回こういうの、初めてですか?」「はい」「え~っと、皆さんどこ出身なんですか?」「日本です」「日本・・・」「日本です」(ナナの方を向き)「えっ?ほんとに日本人ですか?」「そうです」「ハーフですか?」「そうです」「えっ、どことどこの・・・」
(二人組みの女性の片方が)「い~つも、同じ質問!もうやんなっちゃう!」

私もそう言えたらな。でも私がそういうと、みんなに「しょうがないから」ってたしなめられるんだけどな。なんて答えたら、いいの。「ハーフです」って言えば、いいの?でも私、日本語が母語なんだよ。高校まで日本の学校に通ったんだよ。それでも日本人じゃないの?「ハーフ」って、場所じゃないんだよ。私の出身地、「ハーフ」ってとこじゃないんだよ。そんなとこ、ないんだよ。「ハーフですか?」「どことどことの・・・」って質問、いっつも聞かれる。3回聞かれただけで、「また同じ質問!!」って私も根をあげてみたい。いいな。どこ出身ですか、何人ですか、って聞かれて、返した言葉に疑問形がついて回らない生活、経験してみたい。羨ましいよ。

はあ。今日は、疲れた。



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