ルナ・ワールド

ルナ・ワールド

アメリカ vs 日本 



よく聞かれることの一つに
「日本とアメリカ、どっちが好き?」
「日本とアメリカのどっちに住みたい?」
のふたつがある。どっちもまあ似たような質問ではあるんだけど。

あまりよく知らない人に聞かれる場合は
好奇心がちょっと、
二国間(普通は自分の国と自分とは「他者」にあたる国)に優劣順位をつけたい気持ちがちょっと、
それとからかいの気持ちがちょっと、
が人によって様々な配分で混じっているような気がする。

仲が良くても、日本を出たあとに知り合った人に聞かれる場合は
単なる好奇心や
私をもっとよく知ろうとする上での質問、
である場合が多い。

日本の幼なじみに聞かれる場合は
「将来一緒の国に住めるの?次に会えるのはいつ?」
という不安と共に聞かれる場合が多いような気がする・・・。
この場合が一番答え難い。

でも、私の答えはいつも同じ。

私のより好きなのはアメリカでも日本でもない。
アメリカでも日本でも「私」という人間にとって住みにくい所や何らかの理由で住みたくないと感じる所はいくらでもある。(確かに日本のほうがそういう所は多いかもしれないけれど。「そこには住めない」と強く感じる所はアメリカにだって結構ある。)

私が住みたいのはニューヨークだけだ。そんでもって特筆して好きな場所もそこだけ。
私にとってニューヨークは一番自分らしくいられるところ。
そして、車に頼らず、公共交通機関だけで生きていけるところ。
生活のスタイルが私の好みに合っている。

日本とかアメリカとか
そういう便宜上の、政府機関が作りあげた国やそれに付随する国境や国籍、ひいては民族性というコンセプトというものに関して、
ある個人や団体(コミュニティー)のアイデンティティーというものが
そういうコンセプトで簡単に表わされるほど単純なものではない、
ということを、身を持って知っている人がたくさんいるところ。

だからそういうバカバカしい(そして疲れる)質問にもあまり遭遇しない。

万一、遭遇した時にはその質問のバカバカしさを指摘するのに対した時間もかからない。それを実証する例は周りにうじゃうじゃしてるし。

それに、ニューヨークは私の生まれ育った所じゃないから幼少期の嫌な思い出、
とかそういうお荷物もない。

麻薬に溺れるようにニューヨークに溺れ、まだその魅力に取りつかれている。多分私はニューヨークの魔力に一生とりつかれたまま。私の「住みたいところ」は一生変わらないだろう。

(2004年2月15日)



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