ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 20, 2008
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テーマ: 映画鑑賞(891)
カテゴリ: 映画、テレビ
「私たちのお父さん O nosotro babbino caro」

 映画の感想を。「サベッジズ」という、日本ではおそらく未公開の作品。

 認知症ぎみの老父の介護をするために再会することになった兄妹。互いの利害が表面化し、喧嘩してばかりの「サベッジ家の人びと」の本音と建前が軽やかに描かれている映画。

 いろいろと考えさせられたけれども、結局はげらげら笑いながら観た。
 こういう自己チューなアメリカ人、周りに何人もいるし、すごく親近感を持てた。

thesavages.jpg

 一番印象的だった場面は、父、息子、娘の三人が車で移動するときのひとコマ。目の前に父親本人がいるにも関わらず、兄妹らが介護をめぐって喧嘩を始める。
 聞こえてないふりをしながらも実はちゃんと聞こえてる父は、さりげなく自分の補聴器のスイッチを切り、静かにそっと目を閉じる。



 ほんと、主演の三人はみんな名演だった。なにより、娘役のローラ・リニーには惚れた。彼女、本作品でオスカー主演女優賞候補になったはず。

 この作品は音楽もいい。敢えてサラリと描いている。
 舞台設定もいい。大胆にも、猛暑のアリゾナとか厳寒のカナダ国境付近とか、ニューヨーク市内とか、さまざまな温度差も擬似体験できるし。

*****

 老いていく親との愛情や確執を描いた作品と言えば、現在こちらアメリカでは (And) When Did You Last See Your Father? という映画が公開中。コリン・ファース主演の英国/アイルランド映画。原作の邦題は「あなたが最後に父親と会ったのは?」。

 何年か前にオスカー外国語映画を受賞した「みなさん、さようなら Les Invasions barbares」というカナダ/フランス映画も、病床に臥す父と息子の話だった。

 重くて暗い映画は気が滅入るので好きではないのだけれど、この「サベッジ家」という映画は、うまく均衡がとれてて、いたく気に入った!





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最終更新日  Aug 20, 2008 08:16:27 PM
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