ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 25, 2008
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カテゴリ: 映画、テレビ
「塀の外の懲りない面々」

 何年も刑務所で服役していた「殺人鬼」少年Aが出所。新しい名前のもとで新たな人生を歩もうとする彼だが、過去を隠して生きていくには限界があり……。

boy a.jpg日本でも来月から公開( 公式サイト

 重い題材の映画の割には、思ったより観やすかった。役者も脚本もお見事。
 舞台設定もいい。英国北部の閉ざされた世界。海辺の風景も寂しく撮られている。

 シャバの世界になじもうと健気に努める元「殺人鬼」に思わず共感してしまいそうになる。彼の社会復帰を応援したくなる。


 我々「塀の外」の人間は、どう振る舞うのが正解なのか。その問題提起に対する明確な答えは映画の中では出されない。ま、そこがいいんだけど。

 ちなみに、きわめてワタクシごと、アメリカに来てから知り合った友人のなかに、恐喝かつ殺人未遂の罪を犯して投獄され、最近出所した人がいる。彼から連絡はないし、今どこに住んでるのかは周りでも誰ひとり知らない。もし彼がいきなり自分の目の前に現れたとしたら、果たして僕は以前のように、一緒に呑みに行ったりテニスや山登りを楽しむことができるだろうか。
 ヤツのことはあんまり思い出さないようにしてるのに、ときどき夢に出てきてしまう。しかも殺人鬼の役で。

 酒鬼薔薇少年とか、ロス疑惑の三浦和義のこととかも含め、いろんなことを漠然と思い起こしながら観た。

追記 : フランスでも同様に「(元)囚人の社会復帰もの」の映画が作られたそうで、現在アメリカに上陸中(Il y a longtemps que je t'aime/I've Loved You So Long)。主演はクリスティン・スコット・トーマス!





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最終更新日  Oct 26, 2008 06:51:58 PM
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うーん。  
予告編見ました。
ぜひ、ひとり映画部で見に行きたいと思います。
はい。 (Oct 27, 2008 10:29:32 PM)

Re:うーん。(10/25)  
あやこの部屋さん

>ぜひ、ひとり映画部で見に行きたいと思います。

その後、部員は増えてますか?

この映画はかなり暗くて深刻な内容ではありますが、あやこさんなら、それでもバッサリ突っ込みまくるんだろうなー、などと思ってます。

天下のワーグナーの楽劇ですら、容赦なくバシバシ突っ込んでしまうあやこさんのことですから!
(Oct 28, 2008 09:13:22 AM)

フランス映画の方は??  
jacky さん
クリスティン・スコット・トーマス!大好きな女優のひとりです!!
こちらの映画、タイトルだけ見ると囚人が出所するのを待ち焦がれてたのが彼女の役だと思いきや、あらすじを読むと彼女が囚人の役なのですね。この映画は日本で上映公開されないのでしょうか?観たいなー。 (Oct 29, 2008 01:23:42 AM)

Re:フランス映画の方は??(10/25)  
jackyさん

>クリスティン・スコット・トーマス!大好きな女優のひとりです!!

おぉっ、それはそれは。
ぼくは最近まで存じなかったのですが、彼女はほとんどフランス人だったんですね。

>あらすじを読むと彼女が囚人の役なのですね。この映画は日本で上映公開されないのでしょうか?

なんか地味そうな映画なんで、ビミョーなところです……。

クリスティンさん、今ニューヨークで芝居してます。チェーホフの「かもめ」。
一部の演劇ヲタクの間で話題になってるみたいです。
(Oct 29, 2008 07:41:07 AM)

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