ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 1, 2020
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カテゴリ: 映画、テレビ
「ビッグ・ブラザーs」(評価 ★★☆☆☆ 二つ星)

 アメリカの人気楽団ジョーナス兄弟を取材したドキュメンタリー。
 厳格なキリスト教徒として生まれ育ち教会で歌っていた三兄弟が、やがて保守的教会音楽から飛び出し、若者向け大衆歌謡を歌い、人気爆発、社会現象となる。しかしある日一人が「オレ、独立したいんだけど」と言い出す。

 ぼくはアメリカに長いこと住んでるくせしてこの楽団のことをよく知らず、なんか少女たちのあいだで人気らしいぐらいしか思ってなかった。そしたら、いつの間にか解散したり再結成したりしていたとは。

 音楽家を取材した実録映画は好んで観るようにしているけど、この映画、ドキュメンタリーというよりは、再結成にあたっての宣伝が狙いらしい。もともと彼らに関する知識がある人だったら楽しめるだろうけど、ぼくとしてはもっと別のところを突っ込んで取材してほしかった。特に、楽曲制作に関する過程がほとんど描かれてなかったのは残念。

 最も実力のある者が独立したがるのは時間の問題。業界的には全然珍しいことなんかじゃない。そのときの当事者の葛藤やいざこざが意外にあっさり描写されてたのには拍子抜け。

 有名人としての苦悩やその代償、つまり、ネット上とかで誹謗中傷や、愛好家らの私生活への執拗な介入にはうんざりしてただろうし、そのあたりの彼らの本音と、報道機関との「取り引き」についてももっと知りたかった。大衆芸能の世界にいるセレブさまたちにとって、ネタの良し悪しや信憑性に関わらず巷の話題になってるうちが華。誰からも相手にされなくなったら終わりなわけで、実際、彼らはテレビで私生活を晒す密着系番組に出て収入を得ていたらしいし。

 さて、ぼくの個人的な意見としては、複数の人間が共同で音楽活動、芸術創作活動を行なう場合は、誰か一人を主導者として上下関係を持ち込むほうが絶対にうまくいく。みんな平等で仲良しこよしというのは理想的なのかもしれないけれど、現実的には無理がある。





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最終更新日  Aug 2, 2020 09:02:02 PM
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Re:映画:ジョナス・ブラザーズ復活への旅 Jonas Brothers' Chasing Happiness(2019年アメリカ)(08/01)  
私は全然興味がなかったんですが、日本の友達がファンになっている人がThe VoiceのContestantだったので、どうか見てくれと言われて、鑑賞してはLineで中継やってあげてたので、なんだかNick Jonasって悪くないじゃんとは思いました。

でもみんなでこぞって高音ファルセットで売るのよね…。 (Aug 3, 2020 07:27:32 AM)

Re[1]:映画:ジョナス・ブラザーズ復活への旅 Jonas Brothers' Chasing Happiness(2019年アメリカ)(08/01)  
T.H. さん
LimeGreenさん

ぼくは彼らの曲を全く知りませんでした。
結婚式とかで弾くために、若者が好むような音楽はけっこう押さえておくようにはしてるのですが、彼らの曲を依頼されたことは一度もないよーな。

実際、ソニー/コロムビア時代は売れなかったみたいで、ディズニーに移籍したら売れたということなので、対象市場が限られてるのかもしれません。
(Aug 3, 2020 07:41:29 AM)

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