ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 26, 2021
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「United we stand, divided we fall」

 今日は久しぶりにカルテットで遊びました。マイケル(バイオリン1)、ぼく(バイオリン2)、ナンシー(ビオラ)、エレン(チェロ)。

 名曲「アメリカ」。ぼくは昔この曲にハマって頻繁に弾いたものだったけれども、もう何年も弾いておらず、今回久しぶりに弾いてみていろいろと嬉し恥ずかし再発見。これだから室内楽はやめられない。

 ドボルザークの弦楽四重奏はおそらく最後の五曲がよく知られており、その中ではこの作品96「アメリカ」が最もわかりやすく、かつ最も弾きやすい。他の四曲は難曲すぎる(作品51は頑張れば弾けなくはないかも)。

 第1楽章の冒頭でビオラが活躍するから、この曲はビオラ弾きさんの独壇場とか思われがちだけど、第2楽章ではビオラはひたすら背景係というのも意外。最後の三小節だけは目立ちまくる。

 全楽章にわたり次から次へと大ワザ小ワザが仕掛けられていて飽きない。四人それぞれが自分の役割を充分に認識し、出たり引っ込んだりを工夫すれば、これほどまでに弾いて楽しく見ても聴いても楽しい名曲はないのではないか。

 例えば今日ぼくはセカンドを弾いたのだけど、セコンド的には、第1楽章の後半の四分音符 sul G 部分とか、第2楽章でいきなりファーストと絡むとこ。あらゆる仕掛けが唐突なところも面白い。

 逆に言えば、これほどの名曲だし、ある程度室内楽の経験がある人なら弾いたことがあるに違いない曲なわけで、なのに、いざ一緒に弾いてみて、他の人の「出たり引っ込んだり」の感覚が自分と合わなかったりすると戸惑ってしまう。共演者との「相性」を測るに適した曲とも言える。





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最終更新日  Oct 31, 2021 10:52:34 PM
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