ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 5, 2024
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カテゴリ: 映画、テレビ
「穴があったら入りたい」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 サッカーに熱狂するあまり、常軌を逸したとんでもない行動をとったイングランドの困ったちゃんたちに関するドキュメンタリー。ネットフリックスで鑑賞。
 2021年7月、ユーロの決勝でイングランドがイタリアと対戦。しかも自国開催で会場は聖地ウェンブリー競技場ということで、イングランドぢゅうが大騒ぎ。入場券を持ってないのに現地に駆けつけた人々が、なんと警備の隙をついてスタジアムに押し入ってしまう。

 こんな惨状だっとは。死者こそ出なかったものの、関係者はこの混乱を、はっきりきっぱり carnage(カーネジ)という強い言葉で表現していた。血が飛び散るほどの地獄のようなさま。警備の人たちも命がけ。

 警備の人だけでなく、この乱入者たちを許せないのは正規に高い金払って入場券買って会場入りした人たちにとっても同様。みんなで乱入者をボコボコにしようとする場面も出てくる。てか、もう誰と誰が殴り合いしてるのかすら不明。

 さらには根深い人種問題の件もある。イングランドもしょせん白人男性さまたちが一番偉いということになってる社会であり、随所にその傾向が見受けられる。
 パキスタンご出身の警備員が苦悩を語る場面も興味深かった。

 実際の試合はイタリアが優勝。最後の最後ペナルティに持ち込まれ、イングランドはゴールを外しまくってしまうのだけど、PKを外した選手がたまたま非白人ばかりだったことから、試合後、白人イングランド人は、「負けたのはお前ら非白人のせいだ」などと言い出す始末。

 正直言って、ぼくはこのドキュメンタリーを観てイングランド人が嫌いになった。もちろん一部の人だけなんだろうけど、こんなお馬鹿な国民だったとは。

 てか、入場券持ってないくせにどさくさに紛れて競技場に乱入した当人も取材を受けており、カメラの前で当時の状況をドヤ顔で説明してる。これには唖然。謝罪とか後悔の言葉もなく、逆に正当化しようとしてる。母国愛だの家族愛だのサッカー愛だの。コービッドによる規制で外出もままならない状態だったし、政府が悪いんだもんとかほざいてるし。

 観てて気分の悪くなるドキュメンタリーだったけれど、そんななか、長いことイングランドに住んでいるイタリア出身のおじさんの話には救われた。彼は長いことイングランドに住んでいるがイタリア出身なのでイタリアチームを応援しようと(ちゃんと入場券を買って)愛娘とともに会場に向かうが、イタリアを敵視するイングランド人らからの誹謗中傷、嫌がらせにあってパニクる。
 そんな理不尽に慌てながらも、彼は世紀の試合の生観戦を楽しもうと努力する。





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最終更新日  Dec 8, 2024 05:00:52 AM
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