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サービス発展途上国・フランス

フランスの真実
La france en vrai





サービス発展途上国・フランス

旅行者から
「店員に冷たくされた!」 「相手にもしてもらえなかった!」
とは良く聞く話です。
でもここで
「外国人だから相手にしてもらえないんだ」
と落ち込んでも、憤ってもいけません。

お客がフランス人でも同じことだからです。

注意して観察してみましょう。
フランス人のお客は複数の店員がたむろしているところへは行かず、 一人でいる店員 を探します。
最終的に見つからなければ、しょうがない、という感じで覚悟を決めて話し掛けるようですが、
ここからがポイント!

お話中の店員の視界に入る位置に立ち、話の区切りを上手く見つけて話し掛けるのです。
決して話を途中でさえぎってはいけません、
店員の機嫌を損ねたら最後、欲しい商品も売ってもらえなくなります

ここまで読んで、
「はあっ!?サービス業でしょ!?そんなのありぃ!?」
と言う皆様、気持ちはよ~くわかります。
しかしここはフランス。
日本の「お客様は神様」の精神、アメリカのホスピタリティ精神は一切、忘れてください。
それでも最近はサービス精神旺盛な店員も見かけますが、それは

あなたがとても魅力的か、
彼(女)の機嫌が良かったか、
運が良かったのか、

のいずれかでしょう。

なぜ、こんなことがおこるのか。

まず第一に、フランス人は人見知りをします。
この場合の人見知りとは恥ずかしがって物陰に隠れているイメージではなく、 あなたを怪しんでいる のです。

フランスは早くから諸外国人と接点を持ち、受け入れてきた国。
その経過の中で、こっぴどくヒドイ目にもあってきたようです。

形容詞"etrange"には「外国の」という意味と、「得体の知れない、奇妙な」という意味もあることをご存知ですか?

つまり、得体も知れない通りすがりの人間に愛想を振り撒くことはできない、
という至って分かりやすい心情からの行動なのです。

大きく譲って、「京都の一見さんお断り」を想像してもらっても良いでしょう。
紹介があればこっちのもの。
もしあなたが何のつても無くても、あきらめないで。
何度か通い声をかけるうち、店員のほうからあなたの好みを見つけてくれたり、
無理なことを引き受けてくれるようになります。

通りすがりの旅行者なら?
できるだけお喋りをして、自分に興味を持ってもらいましょう。
何事もあなたの話術次第です。

そして第二に。
フランス革命で王制が崩壊して以来、階級社会は根強く残ってはいるものの、
一般市民層ではこれを極端に嫌います。
(残っているからこそ、嫌うのか?)

だから、 「お客様は神様」のつもりで接すればたちまち反感を買ってしまう という訳です。

店員はあくまでもお客と同等であることを忘れずに、日本で当然のサービスを受けたら、ねぎらいの言葉か、
「親切ね。Vous etes gentil(le)」
を付け加えれば機嫌も良くなり、もっとサービスしてくれることも。

そして第三。
「お店に入ったら好みのものがたくさん!!手当たり次第に見てたら店員がスゴイ顔でにらんでる、びっくりした!」
という例。

日本ではごくごく普通のこのシチュエーション。
店=家 と考えるフランスでは、挨拶も無しに家に上がりこんで、家の所有物を勝手に手に取っているように映ります。
スーパーや大規模のお店ならOKですが、個人商店では特に注意しないと、最悪、お店から追い出されることにも!
「イヤな客にうちのモンが売れるかってんだ!」
という、ある意味江戸っ子的な(?)心情の表れです。

お店に入ったらまず
「こんにちはBonjour」
商品に手を触れる時は
「手にとって良いですか?Pourrais-je toucher?」
の一言を。
他人の家にいると思えば、自然にできることですよね。

そして最後に、良いサービスを受けたいと思ったら、 異性の店員を探す こと。
あなたが女性なら男性の店員、あなたが男性なら女性の店員です。
理由?
ここは愛の国フランス、察してください…(笑)!



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