2007年12月24日
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e株リポート
2007年12月18日(火)
特集 日本経済総予測


 ◇覆面座談会 ヘッジファンドが予測する日本株「08年の投資環境」

 国内に拠点を持つヘッジファンドマネジャーと投資アドバイザーが日本株投資環境の見通しを語った。

  ***

(図1)

A氏:国内ヘッジファンドマネジャー(グローバル株式・債券・為替運用)
B氏:米系ヘッジファンドマネジャー(日本株運用)

D氏:国内ヘッジファンドマネジャー(日本株運用)

  ***

-- サブプライム問題をどうみるか。

A かつての日本同様、欧米金融機関の損失が小出しになっているのが問題。不透明感が株式市場に悪影響を与えている。米ゴールドマン・サックス、ドイツ証券は損失額を最大約4000億ドル(44兆円)とするが、私は金融機関が投資目的子会社として設立した投資ビークル(SIV)の損失なども含めれば、最終的に100兆円近くに増えると思う。だが、損失額の天井が見えてくれば、市場の動揺は収まるのではないか。米国の実体経済は減速している今が一番暗いが、2008年3~6月にリバウンドすると予想している。11月の大統領選前に共和党・ブッシュ政権が支持率を高める目的で経済テコ入れ策を打ち出すだろう。

C 見方が異なる。1987年のブラックマンデー、98年のヘッジファンドLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)破綻に端を発した金融システム不安で、米連邦準備制度理事会(FRB)はそれぞれ0.75%ポイントの政策金利の利下げで事態収束を図った。一方、2000年のITバブル崩壊時は5.5%ポイントの利下げに及んだ。

 過去の例から見れば、下げ幅0.75%ポイント以内なら影響は金融市場だけに抑えられるが、それ以上の利下げは実体経済への波及を示す。サブプライム問題では12月11日の追加利下げで下げ幅はすでに1%ポイントだ。

 株式市場はクリスマス休暇で休戦状態だが、休暇明けから混乱が予想される。海外市場は1月2日に始まる。日本が正月気分でいる間に、ニューヨーク市場暴落もあり得る。

D 世界のマネーの流れは子供のサッカーに似ている。ボールに一斉に子供が群がるように、儲かると見た先に投資マネーが集中する。07年はそれをまざまざと見せつけられた。サブプライム問題後、マネーはコモディティ(商品)に向かったが、年明けは割安な日本株に戻ると見る。

◇買い場到来か

-- 日本株は、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)の割安感から、08年の上昇を期待する声も多い。

B 株は皆が見捨てた時が買いだ。新興国市場は過熱気味であり、逆に日本株に安心感を持つ人もいる。東証マザーズなど日本の新興市場への期待感も高いようだ。金融緩和の際、新興市場はバブルになりやすい。ITバブルも98年のLTCM破綻後の米国の緊急利下げによる金融緩和が要因だ。その記憶があるので、FRBの利下げ前後から、東証マザーズも上昇している。



 不安材料は多発している企業不祥事、つまりコンプライアンス(法令順守)リスクだ。外国人投資家が日本企業に不信感を持てば、市場が冷え込む恐れがある。

A 日本株は、米企業の07年度決算が発表される1月中旬~2月上旬が大底。3月までが買い場だろう。円高傾向は続くと見るが、次第に市場も円高を織り込むだろう。

C ただ、それは日本人の見方だろう。外国人投資家の見方は異なる可能性が高い。サブプライム問題で米国の消費を押し上げていた安易な貸し付けが止まった。“借金消費”の終焉だ。個人消費が落ちれば、まず影響を受けるのは自動車、家電、パソコンを作っている日本や中国。事実、10月以降、株価が下がっているのは中国・上海市場と日本市場だ。

◇「米国は中国叩きに動く」

-- 08年の投資戦略上、注目する動きは。



 他の金融機関も引きずられるかたちで、SIVの連結を迫られる可能性がある。その際、巨額損失が明らかとなり、SIVに出資しているヘッジファンドにもいよいよ問題が飛び火するだろう。

A 為替にも注目だ。4月から米国の「中国叩き」が始まると見る。中国政府顧問の経験を持つワシントンDCの知人によると、民主党は大統領選を視野に中国をターゲットとしようと目論んでいる。中国製の輸入品の攻勢で国内雇用がいかに失われたか、資料を作成中という。この「中国叩き」に対し、共和党・ブッシュ政権は中国に人民元の切り上げを迫ることになるだろう。

 8月の北京五輪後、11月の大統領選までに大幅な切り上げになると想定する。その際は、同じアジアの対米黒字国・日本も含めたアジア通貨全体が切り上げを迫られるのではないか。

D 日本株は、インフレがキーワードになる。原材料値上げが最終価格に転嫁できる企業とできない企業に二極化される。なお、大手流通・小売りからの値下げ圧力は強く、それに抗すのは厳しい。

B 業種では金融業界向けシステム構築に注目する。金融商品取引法で08年4月から上場会社に内部統制システムの導入が義務付けられるなど、ここ数年は強い需要が見込まれる。サブプライム問題などで、金融業界は元気がないが、金融業界向けシステムを手掛ける野村総合研究所の株価は崩れていない。景気が悪くなろうがシステム投資はやらないといけない。

B アラブ首長国連邦(UAE)の政府系投資会社がソニー株を大量取得したが、原油高を背景に潤沢な資金を抱える国富ファンド(SWF)の動きに注目したい。資金はあるので、欲しい銘柄はバリュエーションを無視してでも買う。

 これは日本株には撹乱要因でも期待要因でもある。産油国から見れば、日本は技術力のある魅力ある企業が多く、そのうえ、株価は安い。環境、省エネ、水資源関連なら、安い買い物だろう。

D 08年は保険業界が動く。カギは日本生命の動向だ。金融業界では、メガバンク、証券、消費者金融と再編淘汰が順に起きてきた。生保で「金融ビッグバン」の最終章が始まるのではないか。

 エコ銘柄も注目だ。電機では、時期尚早かもしれないが、薄型ディスプレーの本命とされる有機エレクトロルミネッセンス(EL)が新材料となることを期待したい。

(2007.12.18)







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最終更新日  2007年12月24日 17時40分51秒
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