★サンチャゴ巡礼日記

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2004年10月23日
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カテゴリ: サンチャゴ巡礼2004
■第5日 ペレヘ~セブレイロ 24km

きょうはセブレイロ峠をめざす。
上りを意識してか、けさはみな動き出しが早かった。
7時出発。

けさもほかの巡礼者の出発を待つ。
まだ真っ暗だ。
姿は見えないが、アスファルトの道路に杖をつく「カツン、カツン」という音が聞こえる。
自分のほかにも歩いている人がいるという安心感を得る。

8時、10時と続けてバルで休む。

「遠い日本から高いお金をかけて、なぜカミーノへ来たの?」

なぜだろう?
理由はいろいろあるけれど、説明するのはそう簡単ではない。
ましてや英語では。
それで自分でも意味不明?ながらこう答えた。
「巡礼って歩く禅なんだと思う」

ドイツ人の若者はうなずいていった。
「歩くことは瞑想でもあるよね」
たしかシャーリー・マクレーンも同じことをいっていた。

ペレヘからしばらくは小さな村をいくつも通り過ぎる。
アルベルゲも多い。

木立ちのなか、道はしだいに急な上りになっていく。
汗がしたたり落ちた。

牧草地帯を抜けると山の上に出た。
ゆるやかな道をさらに上り、1時前にセブレイロに着く。
いきなり目に入ったのはお土産屋さんだ。


セブレイロは山奥のひなびたところだと勝手に想像していた。
この観光地ぶりは意外である。
『星の巡礼』の最後にパウロが教会で剣を師から授かるシーンがある。
幻想的な場面だが、その教会とおぼしきサンタマリア教会もなかにお土産コーナーがあった。

とあるバルをのぞく。
きのうペレヘで夕食をいっしょに食べたペペがいた。
彼と同じテーブルにつき、彼と同じものを注文してもらう。

そのうちペペの顔見知りらしい若者も店に入ってきて、同じテーブルについた。
彼と店の人の会話をペペが通訳してくれる。

「彼は速く歩く人たちに聞くらしい。
なぜそんなに速く歩く?
地元の人たちと話しているのか?
シエスタはとっているのか?
彼はサンチャゴに早く着こうとは思っていないんだね。
ゆっくり歩いて人と話し、ゆっくり食べて昼寝をする。
それが彼にとってのカミーノなのさ」

昨晩「カミーノから得るもの、学ぶことは人によってちがう」といったペペらしい結論だった。

「最後の難関」といわれるセブレイロへの上りはそれほどたいへんな道でもなかった。
天候にめぐまれたおかげかもしれない。
『地球の歩き方』によれば、セブレイロの天気は一年の半分が風雨らしいから。

難所という点ではブルゴス~レオン間の日陰がない平地を真夏に歩くことのほうがつらいかもしれない。
また上りという点では2年前の初日、ピレネー越えのほうがはるかに苦しかった。

また地形以上に天候と季節の影響も大きいと思う。
9月下旬の30kmと7~8月の炎天下の20kmとでは、後者のほうが厳しいという感じがする。

レオンからセブレイロまで150km。
セブレイロからサンチャゴまでが150km。
半分を5日で歩き終えた。
少し速すぎるような気がする。

夜になってガスが立ち込めてきた。
星は見えない。

セブレイロへの道

▲セブレイロ周辺の風景にはかなりフィルムを使いました。


サンタマリア教会

▲セブレイロのサンタマリア教会





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最終更新日  2004年10月23日 22時17分15秒 コメント(2) | コメントを書く
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