日本語はダメか2

日本語はダメか2

2007.09.27
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手書きハート星ハート
 身にとまる思ひを荻の上葉にて このごろかなし夕暮れの空
                          前大僧正慈円

 身の程を思ひつづくる夕暮れの 荻の上葉に風わたるなり
                          大蔵卿行宗

 秋はただものをこそ思へ露かかる 荻の上吹く風につけても
                          源重之女

 秋風のやや肌寒く吹くなへに 荻の上葉の音ぞかなしき
                          藤原基俊  


 あんまり奥行きのある出来とも思えない歌ばかりだ。上層階級のお偉方は、どうしてこんなに悲しんでばかりいるのだろうねえ。
 おお、マニュアル、まにゅある。――秋はこう詠もう、悲しみはこう詠もう、と型通りの言葉に頼っているだけのような、こころをあまり感じさせない出来栄え。

 悲しみの予行練習怒ってる怒ってる

 ずらっと並べて見れば、悲しくもないのに悲しい、とか、涙も出ないのに涙が出る、とか、言葉を連ねるためにのみ技巧を凝らしているような空虚さを感じる。
 嘘で抱かれて涙を流し、イキマスイキやんすと言っているお江戸の女郎の心根のようだ(好きな人を、ああ、今すぐでもイカシたい。悪い指、と言わせたい)。

 いやいや、そう断定してはならない。ヒトの悲しみをそうやすやすと弄んではならぬ。
 人の悲しみは、他人にはなかなかに分からないものだからねえ。
分からない、勝手に悲しんでいれば、とそっぽを向かれても困るんだよなあ。くくくく。

 喜怒哀楽、というけれど、花子、太郎、次郎、トモコ、ワカコ、みどり、もえ、もよ、すえ、はつ、ため、はめ、門左衛門よ、それらに順番をつけて見れば、悲しみは何番目に位置する?

 金はいらない。貧乏公家でいい。
 けどよ、だから、無理な歌を作って金を稼ぐような不始末はしでかしたくないもんだ。好きでもない女とヤッて金なんぞ貰いたくないもんだ。テテテ。
金なんぞ、キキキ、貰いたくない、とも言えない、か、他に収入のないこの身には。もももも。末期資本主義に生きるところの、これといった技もないワチキとしては。ふん、では、専業主婦にでも? ああ、いやな響きの御言葉。
 ま、売文業、というか、売春業というか、売心業というか、バイバイヌレヌレというか、漁りが浜の夕方の女としては、ま、選択肢もあんまりないわけよ。

 悲しみの悲しみの奥の悲しみは 夕闇の奥のひそかなる悲しみ

 け、ああ、また、心持たない貧乏公家が何か言葉を並べ出した、けけけ。そもさん。






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最終更新日  2007.09.28 03:22:07 コメントを書く


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