日本語はダメか2

日本語はダメか2

2008.04.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 バスを降りた。バスが行った。信号が青になった。渡ろうとした。右腕を何かがかすめた。

 そのまま足を運ぼうとした。右目の隅に止まった自転車が見えた。中学生か高校生位の小柄な少女の目がこちらを見つめていた。

 そのまま行こうとして二、三歩戻った。

「何を睨んでいるのだ」「その目つきは何だ、オトナを睨み付けているその目は」 


 ようやく少女が口を開いた。
「びっくり、した、のです」
「青になったから私は渡ろうとした、そうだね」
 少女が頷いた。

 後から思えば、その目はこう言っていた。



 危ない! と思った少女には、とっさの言葉が浮かばなかったのだろう。「ごめんなさい」というほどの接近でもなかったのだ。こちらはそのまま行こうとしたのだから。自転車がくるのをこちらは全く意識していなかったのだから。
 だが、彼女は相当にひやっとしたようだ。目の前にヒトがいる! 言葉も引っ込んでしまった……。

 しまった、危なかった、という不安な気持ちと、よかった、という思い、そして同時に「何よこの人、あたしが通ろうとしているのに」という気持ちがその目に込められた。
 それが「睨み付けている」と受け取られてしまった。

 こちらも、きつく言ったわけではなかった。
「お互い、気をつけようね」こちらは、そう付け加えた。
 ちょっぴり切ない夕方の一場面だった。 






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最終更新日  2008.04.23 00:53:33
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