日本語はダメか2

日本語はダメか2

2009.04.23
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しょんぼり今日は、帰りに寄った。
 からくり時計の下のベンチに、比較的ましな格好の男、そして長い髪の若い女がいた。
 その前で、一人喋り続けている男。陽に焼けた大柄な男。
 植え込みのそばに立っているもう一人の若い女。少し太り気味で、若草色のジャンパーを着ている。
 二人の女性は、立ったり地面に座り込んだりして話し続ける男になんの反応もない。
 男が汚れたジャージーの上着をめくり上げた。入れ墨が見えた。肌も黒い。

 こちらがベンチに座ってから30分は経っていた。ということは、彼ら彼女たちは、その前からそうしていた、ということが容易に推測出来る。

どうにも不自然な取り合わせが気になって仕方がなかった。男でも漁っていたのだろうか。寝る所でも探していたのだろうか。
 と、40分を過ぎてから、座っていた女性が立ち上がった。白いポーチを腹の方へ回して。髪に手を当てて。やがて、挨拶もなく駅の方へ向かうエスカレーターへ身体を預けた。
 もう一人の女性はまだそこにいた。

男の話は女たちを足止めするほど面白かったのだろうか。
 二人の女は偶然出会って、時間つぶしに男の相手をしていただけなのだろうか。しかも、二人の女性は知り合いでも連れでもなかった。


四時の時報が鳴った。仕掛け時計のドアが開いた。音楽と共に王子様が現れた。人魚が現れた。
 向こうにいるママが「○○ちゃん、ほらほら」と仕掛け人形を指さした。二歳になったかならないくらいの少女は、見向きもしない。鳩に何かを投げている。追いかけている。
「ほら、ほら、見てごらん」ママはかなり懸命に声を掛けるが、ほんの一瞬目を投げただけの少女は、依然として興味を示さなかった。ママは、「王子様」も「人魚姫」も口に出さなかった。
 生き物の方がずっと面白いのだろうか。


一番端のベンチで若い男が何かを食べていた。
 やがて、何かを投げ捨てた。数羽の鳩が寄ってきたが興味はないようだった。ソーセージのようなズングリしたものが転がっている。
 何羽か寄ってきては去っていく。
 男も居なくなった。ベンチには食べ物が入っていた箱とビニールの袋が残された。片付けろ、と追いかけようとしたが、思いとどまった。相手は多すぎる、この手のヤカラが。どうしようも、ない。
 と、鳩たちが群がった。さっきまで見向きもしなかったものを奪い合っている。

 皮がむけた。皮を振り回している。破片をひろっている。サツマイモだった。


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最終更新日  2009.04.23 21:24:30
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