日本語はダメか2

日本語はダメか2

2009.05.28
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カテゴリ: 題材 文章 視点


 シャンシャンと二人きりの留守番。
一日中、まとわりついている。とにかく、じっとしていない。脚とくちばしを使って、こちらの体中を歩き回る。爪もしっかりとし、噛む力も強くなった。
 人間の赤ちゃんと同じ。何でも噛んでみている(口に持って行く)。うんちもあちこち、ぱっ 
どぱっ。
 おむつするぞ怒ってる
 指輪にも噛みつく。い、痛い! 薬指を噛まれた。口、縛るぞ怒ってる
しょんぼり

 動かしているマウスにいたくご執心。真ん中のスクロールキーを特にお気に入り。噛みやすいのだろう。すると、画面ががらりと変わってしまったり。

 肩に乗せてもすぐパソコンの方へおりてくる。上着の下に入れてもすぐに這い出して来る。

手書きハートその昔、和机で原稿用紙に向かっていた。膝には幼い三女が。
 いつの間にか、コチラのマネをして、鉛筆を握って「字」らしいものを書き始めるようになっていた。こちらが書いた文字の上に。
 時には、何も書いてないマス目に。

星 四月三十日の誕生日から五月末まで、不思議な「時間帯」の中にいる毎年。
 生と死。私は生まれ、石田吉蔵は阿部さだに首を絞められ急所を切り取られて死ぬ。

 そのことと直接の関係はない、のだろうが、しきりに「子供が欲しい」と思う気分になった「時間帯」。今だったら、ああ育てる、こう躾ける、などと思い巡らしながら。

 い、痛っしょんぼり耳を噛みながら帽子へよじ登る


 背中の地肌もまったく見えなくなった。
 自分で餌をついばむようになった。
ハートでもまだ、親指と人差し指の間に挟んだ餌をぐちゅぐちゅ言いながら食べるのが好きだ。
 とても抵抗するが、鳥かごに入れると、ブランコに揺られていたりする。
刷り込みは、とりあえずうまくいったようだ。


 今月の文芸サークル講評会終了後、会員の女性のおなかにも耳を当てさせてもらった(一ヶ月前から打診しておいた)。
 七ヶ月すぎ、とか言ったが心音は聞こえなかった。びっくりしたのだろうか。息を潜めたのだろうか。
 としても、心音まで止められるものではないだろう。イノチはまだとても小さいのだ。


 あちらこちらで作品が生まれている……。

 生徒の一人から熱いメールが届いた。


(先生が選考委員をなさっている)某新聞社の文学賞のことです。 

 ○○さんの「鳶の舞う○」読ませていただきました。

 この作品と最後まで争って受賞した「冬の○」も読みましたが、私は「鳶が舞う……」の方が好きですし、内容もずっと優れていると思いました。

「冬の○」は現代社会が抱えている問題を描いていますが、私の目には問題の表面をなぞったとしか映りませんでした。書かれるべきは、(おわり)とされた後のことだろうと思い、自分が取り残されたように感じました。

 老婆を追い出すという事実だけ見れば、女の浅ましさ意地悪さしか見えないけれど、それではあまりに浅いのではないかと。

 隣家の主婦=嫁にしかわからない事情もあるだろう、責められるべきは嫁だけなのか、夫=老婆の息子に問題はないのか、恋人の史帆の言い分だって褒められはしないけれどあながち的外れとは言えない、主人公の両親が息子たちに依存気味なことへの目線に欠けている……など。

 正直なところ、コンビニで新聞を買って読んだ時「こんなものなのか……」と思いました。正直、よくわからなくなりました。

 もちろん文章はしっかりしているし、情景描写も巧みで、30枚で上手にまとめています。

 今の私にここまで書けるかと問われればもちろんNO!です。

 作者も本当はもっともっと書き込みたいことがあったのかも知れないけど、そこは抑えたのかも知れません。

 しかし、心に残るものがありませんでした。


 30枚という非常に限られた制約の中で、そこまで望むのは無理なのかとも思いました。

 そもそも私自身が、今回初めて30枚という短さに足掻きながら愚作で応募する羽目になり「あれもこれも欲張って詰め込み過ぎた」「しかし50枚ならともかく、30枚で描けるのはどんな世界なんだ?」という壁にぶつかっているのです。

 でも「鳶が舞う……」を読んで、30枚でもこれだけのことが描けるのだということを教えられた気がしました。

 城山三郎さんの「落日燃ゆ」を思わせる舞台設定の中で描かれていく、一線を退かざるを得なくなった男の無念さ苛立たしさ。同時に周囲の取り巻きが去っていく虚しさ。力のみを頼みとし力を最優先させ、娘さえも政争の道具とし、家庭を顧みなかった人生のツケと向き合わざるを得ない男の心情が伝わってきます。しかし道具になり得ず家庭を追われた娘・もみじが、男を責める象徴になっているかに見えて、実は微かな救いにもなっているように私には見えました。かつての華々しかった男の姿と、鳶と、亡き妻との思い出のあるインヴァルス(teokure注:インバネスが正しい)を重ね合わせた道具の使い方も上手いと思いました。

 何より、取り返せない時間というものが感じられる読後感は「冬の……」をはるかに上回っている、と感じました。

 好みの問題かも知れませんし、先生の見解とは違うかも知れませんが……。



 明日はこちらの返事をお届けしよう。





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最終更新日  2009.05.28 19:10:50 コメントを書く
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