日本語はダメか2

日本語はダメか2

2010.05.05
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 窓ガラスが鳴る。

 カラスが騒ぐ。

 家人が悲鳴を上げる。


 ただのみの大家が店子の店で歌う。
 テレビ画面に顔を近づけて歌う。
 背中を客に向けたまま。

 バイクが走った。
 運転する男の足の間に挟まれた花束が飛んだ。


 不穏な空気が流れ、妄想が生まれる。

 我は、物を見、聴いているか。

 笹の葉の向こうで招く女の振り袖。

 岩に当たって砕ける怒濤。
 聞こえ来るはローレライの声。



 Erlk?nig        Goethe
 魔王 

 夜を貫き風の中を 誰がこんなに遅く馬を走らせるのだ?

 それは父親とその子供だ



 しっかりとつかみ 暖かく護って

「息子よ なぜそんなにおびえた顔をしているのだ?」

「見えないのお父さん あの魔王が?
 冠をつけて 衣の裾をひきずった魔王が?」



「かわいい子 おいで 私と一緒に行こう!
 それはすてきな遊びを一緒にしよう
 浜辺には色とりどりの花がいっぱいだし
 私のお母さんは金色の服をたくさん持っている」

「お父さん お父さん お父さんには聴こえないの?
 魔王がぼくにそっと約束していることが?」

「おちついて おちついておくれ 息子よ
 枯れた葉っぱが風にごそごそ音をたてているんだよ」

「かわいい子よ お前は私と一緒に来たいだろう?
 私の娘達には お前をちゃんと待つよう言ってある
 娘達は夜ごと誘うだろう
 踊って歌って寝かしつけてくれるよ」

「お父さん お父さん 見えないのあそこが
 暗い所にいる魔王の娘達が?」

「息子よ 息子よ ちゃんと見えているよ
 古い柳の木が ひどく陰気に見えるのだ」

「お前が好きだよ お前の美しい姿が私をひきつける
 お前の気が進まないのなら 力づくでするしかない」

「お父さん お父さん 魔王が今僕をつかまえたよ!
 僕にひどいことをしたよ!」

 父親はぞっとして馬をかりたてた
 彼は腕の中に 呻き喘ぐ子供を抱え
 やっとの思いで家にたどり着いたが
 彼の腕の中で子供は死んでいた

(copyright) Koberecs, 2010 KRS451 野ばらCD
日本語訳:淵脇良子





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最終更新日  2010.05.05 11:45:40
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