日本語はダメか2

日本語はダメか2

2010.10.08
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怒ってるが、どうにも毎日が暗くて重たい。ノーベル化学賞に日本人が二人同時受賞、などというbig newsも世の悪鬼・悪気を吹き飛ばすことが出来ないほど。

 停滞、停頓、渋滞、逼迫。ニホンだけではない?
 焼け石に水、と言っては失礼か。
 研究者・学者の世界も一様ではないのだろうが、世間は心にヒビが入ってしまっている。
 ノーベル化学賞を日本人が受賞したのも、日銀が2兆もの金を市場に投入したそのお礼か、などという記事もあった。
 それも焼け石に水の効果らしいが。
しょんぼり

 根岸さんが奥さんに言っている言葉が実に面白かった。
(テレビの人が何か聞いた、奥さんが何を言おうと考えて言いよどんでいる)
 そういう状況・背景の中で、奥さんにむかって根岸先生が一言。
「ディプロマティックでいいんだよ」

 diplomatic

 ここでは敢えて訳語を載せない。
 が、奥さんへの優しいサポートととるか世間への居丈高な態度ととるか。

 テレビをラジオで「聞いている」日常。
 根岸さんの明晰な話し方とよく透る音声には感動した。


電話内田樹・神戸女学院大学教授の<分析>がちょっと面白かった(『週刊現代』談話)。

電話

 私は20年間教師をやってきましたが、「メディアのおかげで教育環境が良くなった」と思ったことは一度もありません。いま日本に100万人以上の教師がいますが、メディアのサポートのおかげで教育環境が整備されたと思っている人は1%もいないでしょう。

 医療関係者も同じです。おそらく、公務員もそうでしょう。毎年のように「改革」を要求して、現場に過剰な負担を強いる。これだけ憎まれているのに、日本のメディアは反省がなさすぎます(しょんぼりこの二行、文意が取りにくい。前半と後半がうまくつながっていない)。

電話(中略)一番怖いのは、「自分の手は汚れていない。自分は正しい」と思いこんでいる人たちです。テレビのなかでニュースキャスターたちが、
「こんなことが許されていいんでしょうか」


 いま、若い人たちが新聞を読まなくなり、テレビを見なくなり、雑誌を買わなくなっている。一人暮らしの20代の人で、宅配の新聞を取っている人などほとんどいない。それはネットに客を奪われたからではなくて、「偽善的な定型」に安住したメディアの報道に胡散臭さを感じ取っているからだと思います。

電話私自身は、民放テレビ局の番組を見ることはほとんどなくなってしまいました。とにかく音がうるさくて、出演者たちの声が癇に障ります。おそらくCMの音量が上がっているので、それに併せて番組の音量も上げているのでしょうが、まったくの悪循環。

 民放は、そういう作り手の配慮の足りなさが際だっています。周りの人との会話でも、民放の番組が話題になることはまずありません。

 その点、最近のNHKは、ターゲットをかなり限定した番組作りをしているように思います。ときには、「この番組は数万人見てくれればいい」と割り切った番組作りをしている。

 だから、マスメディアなんだけれども、部分的には、「数千人から数十万人程度の規模の特定層に向けて発信される情報」であるミドルメディア的な機能を有しています。結果的には、それがすごく成功しているような気がします。

メール(編集部)読者、視聴者からの信頼を失いかけているマスメディアに代わって、存在感を強めているのがネット、ブログなどの「ミドルメディア」である。内田氏は、ミドルメディアの可能性についてはどのように見ているのか。 また、「出版不況」が言われて久しいが、書籍の未来についても聞いた。メール

電話ミッションステートメント(綱領、行動指針)をはっきりとさせることで、10人中9人には嫌われても、選んでくれた1人にとことん気に入ってもらい、リピーターになってもらう。これからの時代は、そういうメディアが生き延びていくことになるでしょう。それはインターネットだけでなく、いろんな形態があり得るのです。

 ヨーロッパから日本に帰ってくると、新聞のレベルがいきなり急低下してしまうので、本当にガッカリします。『ル・モンド』や『ガーディアン』は日本の新聞のように巨大な読者数ではなく、リテラシー(読解力)の高い少数の読者を想定し、それに向かって発信しているから、ずっと高いクオリティが維持されている。

 それでも経営的には厳しい状況にあることはたしかですが、日本にも、少数ながら強いサポーターがついているクオリティペーパーのような新聞が必要でしょう。

 僕らが学生だった'70年頃、片手に朝日ジャーナル、もう一方に少年マガジンを抱えていましたが、それで大変バランスが良かった。これからは、そういうクオリティの高い活字のミドルメディアにぜひ登場して欲しいと思います。

 テレビは、先にふれたようにNHKはすでにミドルメディアに対応し、番組ごとにターゲットを変えています。民放もこれからはミドルメディア化し、旗幟鮮明にしていかなければ、生き残ることは難しい。

星いま出版社は、「本が売れなくなった」と大騒ぎをしています。図書館に配本するのを規制しようとか、ネット上に流出するのを防ごうとか、新古書店を敵視したりしていますが、根本的に出版メディアの側に欠如しているのは、 読み手に対するリスペクト だと思います。

 著作権に対する出版社の発想は、無償の読者を読者としてカウントしていません。それどころか、「盗人」として捉えてしまっている。僕に言わせれば、「図書館で本を読まれたら、おカネが入らないので大損だ。

電話 だから、図書館にはなるべく本を配るべきじゃない」と考える人には、物書きの資格はありません。図書館は出版文化の支え手です。それを敵視するなんて言語道断です。

 物書きや出版社にとってまずは高いリテラシーを持った読者層を、いかに形成するかがすべてのスタートなんです。

 どんな人もまず無償の読者として出発し、長い時間、場合によっては20年以上をかけて有償の読者に変化します。カネを払わずに本を読み続ける行為を通してリテラシーを形成し、その後にはじめてカネを出して本を買うという行為が始まるわけです。

 出版メディアは、そのプロセスにこそ投資をしなくてはいけません。いまの日本の出版危機というのは、その読者層の形成に対して、十分に配慮してこなかった結果なのではないでしょうか。(談)






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最終更新日  2010.10.08 12:34:36
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