日本語はダメか2

日本語はダメか2

2011.08.15
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 なぜ「終戦記念日」なのだろう。
 長い間の疑問。
「記念日」……何を
「敗戦」を使ったら「記念日」は付いただろうか。
「敗戦記念日」
 戦後の始末の覚悟を表すためには、ひょっとするとこちらの方が効果があったかも知れない。
 が、畜生め、と<仕返し>の気持ちも生んだか
 そこで「終戦」と表記することで強烈な印象を和らげた、のかも知れない。
 しかし、「事実」を曖昧にした。

 しかも、「終戦記念日」としてもなお、「戦後の始末」への覚悟は少しも定まらなかった。いまなお続く軍備増強。世界何番目かの<軍事大国>
 もう、いい。
 闘いはもういい。放射能をたっぷりと浴びてやがて朽ち果てようとしているこの日々なのに。

「戦争に勝ちも負けもない。あるのは滅びだけだ。」
 長崎で被曝したあの永井隆博士は『花咲く丘』にそういう言葉を残した。 
 また『いとし子よ』では不戦・非戦の誓いを伝えている。

「いとし子よ。
 あの日、イクリの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一よ、カヤノよ。
 お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世に留めて、ついにこの世から姿を消してしまった。
 そなたたちの寄りすがりたい母を奪い去ったものは何であるか?
 ――原子爆弾。……いいえ、それは原子の塊である。

 そなたたちの母を、あの優しかった母を殺したのは、戦争である。

 戦争が長びくうちには、はじめ戦争をやり出したときの名分なんかどこかに消えてしまい、戦争がすんだころには、勝ったほうも負けたほうも、なんの目的でこんな大騒ぎをしたのかわからぬことさえある。
 そうして、生き残った人びとはむごたらしい戦場の跡を眺め、口をそろえて、……戦争はもうこりごりだ。これっきり戦争を永久にやめることにしよう!
 そう叫んでおきながら、何年かたつうちに、いつしか心が変わり、なんとなくもやもやと戦争がしたくなってくるのである。
 どうして人間は、こうも愚かなものであろうか?


 わが子よ!
 憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。
 憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。
どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。
 自分が実行するだけでなく、これを破ろうとする力を防がねばならぬ。
 これこそ、戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。

 しかし理屈はなんとでもつき、世論はどちらへでもなびくものである。
 日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。
 そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて、世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。

 もしも日本が再武装するような事態になったら、そのときこそ……誠一(まこと)よ、カヤノよ、たとい最後の二人となっても、どんな罵りや暴力を受けてもきっぱりと<戦争絶対反対>
を叫び続け、叫び通しておくれ!
 たとい卑怯者とさげすまされ、裏切り者とたたかれても<戦争絶対反対>の叫びを守っておくれ!

 敵が攻め寄せたとき、武器がなかったら、みすみす皆殺しにされてしまうではないか?……という人が多いだろう。
 しかし、武器を持っている方が果たして生き残るであろうか?
 武器を持たぬ無抵抗の者の方が生き残るであろうか?……

 狼は鋭い牙を持っている。それだから人間に滅ぼされてしまった。
 ところがハトは、何ひとつ武器を持っていない。
 そして今に至るまで人間に愛されて、たくさん残って空を飛んでいる。
 愛で身を固め、愛で国を固め、愛で人類が手を握ってこそ、平和で美しい世界が生まれてくるのだよ。

 いとし子よ。
 敵も愛しなさい。愛し愛し愛しぬいて、こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。
 愛すれば愛される。愛されたら、滅ぼされない。
 愛の世界に敵はない。敵がなければ戦争も起らないのだよ。」


 戦争の放棄、不戦の誓いを貫く者に、世間は「非現実的な夢想家」というレッテルを貼るのだろう。
 しかし、いまこそ我々は「非現実的な夢想家」になることを目指すべき時であるのだ。
 人類は滅んで仕舞うような危機に面した今こそ。

村上春樹氏は言う。
「それが広島と長崎で亡くなった多くの犠牲者に対する、我々の集合的責任の取り方」であり、
「福島で原発放射能事故の被害を受けた被害者に対する、我々の集合的責任の取り方」なのだと思う。

 村上氏はまた言う。 
「我々は夢を見ることを恐れてはなりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。人はいつか死んで、消えていきます。しかしhumanityは残ります。それはいつまでも受け継がれていくものです。我々はまず、その力を信じるものでなくてはなりません。」

 敗戦の日から66年。そして戦争で明け暮れた昭和は86年。
 陸軍・海軍・政府が意地を張り合った結果、リーダー不在のまま、戦争へ突っ走った昭和。
 我々は、改めて永井隆博士と村上春樹氏の言葉を、心の心底から味わい、思い知らなければならない。






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最終更新日  2011.08.15 11:18:32 コメント(1) | コメントを書く


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戦争反対。  
大賛成です。僕も戦争反対の為なら、サクリファイスも厭いません。愛は決して滅びない、です。 (2011.08.15 14:50:41)

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