最も有名なのは、'92年のボブ・ディラン30周年記念コンサートにおける、シンニード・オコナーのボイコット事件だ。 彼女の出身地であるアイルランド共和国では、カトリックの教義に従って、離婚と妊娠中絶が憲法で禁止されており(離婚は1995年に合法化された)、シンニードはこれに対してかねてから異議を唱えていた。 '92年の10月3日、NBCの人気番組「サタデイ・ナイト・ライヴ」に生出演した彼女は、その場でローマ法王の写真をズタズタに破り、「Fight Real Enemy!」と叫んだ。
その2週間後、シンニード・バッシングの空気が強い中、彼女は前述のボブ・ディラン30周年コンサートに出演。当初はディランの「I Believe In You」を歌う予定だったが、彼女がステージに上がった途端激しいブーイングが起こり場内は騒然。歌うに歌えなくなった彼女は、たったひとりでボブ・マーリーの「War」をアカペラで歌い、泣きながらステージを降りた。