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2007.11.04
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テーマ: 洋楽(3637)
カテゴリ: ビートルズ
内的宇宙 を抽象的に綴った一曲である。

曲が作られたのは'67年頃。オリジナル・テイクはシングル用として、ポールの「Lady Madonna」とほぼ同時期に録音されたが、その時の発表は見送られた。
その後、曲は、野生動物保護基金のチャリティ・アルバム『No One's Gonna change Our World』に提供される事になり、ジョージ・マーティンによって、新たなミックスが施された。それが『Past Masters Vol.2』などで聴ける、通称 「バード・バージョン」 である。
ジミー・ペイジ先生 もお気に入りというこのバージョンだが、楽器のバランスが悪いミックスや 素っ頓狂 な声のコーラスがウザく、ジョンの声も 不自然に高い (テープ・スピードを上げている)それが、未だに僕は好きになれない。
よって、今回取り上げるのは、アルバム「Let It Be」に収録されている方のバージョンである。

フィル・スペクター
ミックスする際、フィルはテープ・スピードを下げ、キーをオリジナルより半音ほど落としている。

ジョンの弾くアコギで静かに始まるこの曲。
穏やかに流れていくメロディ、柔らかなジョンのヴォーカルと幻想的なサウンドがとても印象的で、 「Jai Guru Deva」 と歌うジョンの声に身をゆだねていると、こちらも 宙に溶けていく ような気分にもなる。
イマジネーション溢れる詞も素晴らしく、'70年のインタビューではジョン自身、この曲をベスト(詞として)だと発言している。

深いエコー、聖歌隊のような女性コーラス、壮大な響きを持ったストリングス・アレンジは、まさにフィル・スペクターの世界で、そのサウンドは 不協和音と紙一重 のバランスを保ちつつも、この曲の幻想的な部分を一層引き出す事になった。
ジョージの弾くタンブラもここではいい感じ。
従来あった「アーアアア・アーアーア」というコーラスを削ったのも正解だと思う。

賛否が分かれる であろう仕上がりだが、個人的には一票入れたい出来だと思うし、少なくとも前述の「バード・バージョン」よりはよほどいい。ジョン本人もフィルの仕事振りを讃えている。
ただし、ただでさえ録音時期の違う曲に圧化粧を施したこのバージョンが、元々「生っぽいサウンド」を求めて作られたこのアルバムの中で聴くと、 かなり浮いている 感があるのは否めない。

それでも、やはりいい曲には違いない。
詩的な表現を重ねながらジョンは歌う。 「何者も僕の世界を変える事はできない」
後ろでポワワンと鳴るワウワウ・ギターの音色もいいなあ
前述のフレーズ「Jai Guru De Va」はヒンズー教の言葉で 『我らが導師、神に勝利あれ』 の意らしい。ビートルズが一時期、 インド に傾倒していた事は有名だが、この場合は宗教というより一種の 言葉遊び と見る方が妥当だろう(ジョン個人がインド系の宗教にハマったという記述は見られない)。
こうした感覚は、後の名曲 「#9 Dream」 にも受け継がれていく。

なお、この曲。'96年に発売された 「Anthology 2」 には、最初に「一応のベスト・テイク」とされた'68年2月4日のバージョンが収録されたのだが、シンプルな美しさを持つそちらも 捨てがたい出来 だ。波打つようなアコースティック・ギターの音色には惚れ惚れさせられる。こちらのバージョンがベスト、という方も少なくないだろう。
'03年に発売された「Let It Be...Naked」には、フィルのオーバー・ダビングをカットした「オリジナル・バージョン」も収録された。

カバー・バージョンはデヴィッド・ボウイからフィオナ・アップルまで数多く、'05年のグラミー受賞式では、ブライアン・ウィルソン、ボノ、スティーブン・タイラー、スティーヴィー・ワンダーなど錚々たる面子によって、この曲が演奏された。

つーコトでフィル・スペクターのミックスによる「Across The Universe」を聴くには ここ をクリック!
「Anthology 2」収録のバージョンは こちら
小鳥のさえずりや羽ばたきが聞こえる「バード・バージョン」は こちら

詩作に関しては、 松尾芭蕉 の影響を受けたと言われる事も多いジョン。この曲を聴くと、 「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」 という句を思い出すワタシです。


※ポム・スフレのメインHPは こちら





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Last updated  2008.06.06 04:29:21 コメント(10) | コメントを書く


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