ジョンの弾くアコギで静かに始まるこの曲。 穏やかに流れていくメロディ、柔らかなジョンのヴォーカルと幻想的なサウンドがとても印象的で、「Jai Guru Deva」と歌うジョンの声に身をゆだねていると、こちらも宙に溶けていくような気分にもなる。 イマジネーション溢れる詞も素晴らしく、'70年のインタビューではジョン自身、この曲をベスト(詞として)だと発言している。
それでも、やはりいい曲には違いない。 詩的な表現を重ねながらジョンは歌う。「何者も僕の世界を変える事はできない」 後ろでポワワンと鳴るワウワウ・ギターの音色もいいなあ 前述のフレーズ「Jai Guru De Va」はヒンズー教の言葉で『我らが導師、神に勝利あれ』の意らしい。ビートルズが一時期、インドに傾倒していた事は有名だが、この場合は宗教というより一種の言葉遊びと見る方が妥当だろう(ジョン個人がインド系の宗教にハマったという記述は見られない)。 こうした感覚は、後の名曲「#9 Dream」にも受け継がれていく。
なお、この曲。'96年に発売された「Anthology 2」には、最初に「一応のベスト・テイク」とされた'68年2月4日のバージョンが収録されたのだが、シンプルな美しさを持つそちらも捨てがたい出来だ。波打つようなアコースティック・ギターの音色には惚れ惚れさせられる。こちらのバージョンがベスト、という方も少なくないだろう。 '03年に発売された「Let It Be...Naked」には、フィルのオーバー・ダビングをカットした「オリジナル・バージョン」も収録された。