お別れは中華で

お別れは中華で

旅の最初の一週間がすぎ、友達になったMさんとKさんが日本へ帰る日。

お別れのディナーに、ガイドブックに載っている中華料理の店を選んだ。

その店で一番印象に残っているのは、料理のことではなくて、ヤモリ。
ふと見上げた窓ガラスの外側に、お腹の赤い、小さいヤモリが張り付いていたのだ。

私達はギョっとしたが、MさんとKさんは驚いた様子もなく
「ヤモリやなぁ」と二人でうなずきあっていた。
(というか、二人はいつもこんな調子だった)

私とKは「へぇ、これがヤモリ」と感心した。
この大阪から来た二人組は、本当にいろんなことを良く知っているのだった。
反対に、最後まで何も知らない無知な私達だった。

私達の次の予定はイルデパンへの旅。
絵葉書を書くね
また日本で会おうね
と約束して、深夜の便で日本へと帰る彼女達と別れた。

彼女達が帰ると、また二人きり。
私達の旅は、まだ一週間続く。
ちょっぴり寂しく、心細くなった私達だった。

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