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2003年09月09日
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家の近所で一匹の黒ネコちゃんを見かけた。

大のネコ好きである僕は、喜び勇んで近寄ったんやけど、

間近でそのネコを見た途端、僕は悲しみと驚愕の深い谷へ

突き落とされたような錯覚に陥り、しばらくその場から

動けなくなってしまった・・・。


右耳は刃物でスパッと切られたような跡があり完全に欠落。

左の耳は額にペタンと力なくしおれ、まるで生気がない。

つまり、その黒ネコは、昼間は『ネコ』と判っても、

薄暗い時にシルエットだけを見たら、きっと誰もが

別の生き物だと勘違いしてしまうような風貌をしてたんや!

それだけやないで!左の眼も痛々しく潰れてたんや!


ああっ!なんて事や!!

この子に振りかかった残酷な運命に思いを馳せると、

息をするのも苦しいほどに胸が痛む!

老齢のせいか、体毛が所々抜け替われずに冬毛のままの

哀れな黒ネコは、僕に気づくと、近くにあったお好み焼き屋の

立て看板の陰に身を隠した。


『この子は、すっかり人間不信になってしまったんやな・・・。

無理もない、ひどい目に遭った過去の記憶が、あの子の心を

頑なにさせてるんや・・・』


僕は心の中で、祈るようにそうつぶやいた。


その時、不意にお好み焼き屋のドアが開き、

中からデップリと太ったエプロン姿のオバチャンが現れた。


「あ~ら、クロちゃん。お帰り~」

「ニャァ~」


・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・人間不信やない。


単に僕が嫌われてただけなんやぁ!!


クロちゃん、お幸せに・・・。





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最終更新日  2003年09月10日 07時30分47秒


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