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2004年05月04日
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朝5時半のこと、部屋の外、しかも僕の玄関扉のすぐ際で、

複数の人間によるヒソヒソ声がするのに気づき目が醒めた。

布団の中からこっそり聞き耳を立て、その会話を傍受しようと

したが、狭い7階のフロアのこと、エコーがかかりすぎて

うまく聞き取れない。

ただ、2人の男と1人の老人、その3人の会話であること

だけは理解できた。

こんな朝っぱらに、僕の玄関先で何が行われようとしているのか。

気になって仕方がない僕は、物音を立てないようできるだけ




つま先で一歩一歩確かめるように歩く作業は骨が折れた。

『抜き足、差し足、忍び足・・・』まるで泥棒。

左目をつむり、右の眼を大きく見開き、魚眼レンズにへばりつく。

『こんな朝早く、人の玄関先で、いったいどこの誰が

喋ってるんや!』


レンズの向こうに見えたのは、2人の警官と、1人の老婆だった。

ギョッとしながら耳を澄ます。3人は薄っぺらい扉のすぐ向こうで

息を殺し、つま先立ちをした僕が聞き耳を立てていることには

気づいていない様子。

「とりあえず、ここから出ようね」

「いやや」



そうやね?」

「うん」

「このマンションに住んでるわけではないんやね?」

「しらん。ここに住んでない」

「じゃあ、とりあえずここから出ようか」



「どこにも連れて行かないよ。ここから出るだけやで」

「いやや」

なんと、夜中に寝ぼけて徘徊していた老女が、その冒険の最終地点

をこのマンションの僕の部屋の玄関先に決め込み、

ヒンヤリと冷たい床に身を横たえて寝入っていたのだ。

『なんやアホらしい。寝よう寝よう。全く人騒がせな話やで。

お巡りさんご苦労やな』

無理な態勢で魚眼レンズにへばりついていた僕は、再び寝室へと

戻ろうと慎重に身体を動かした。

しかしその時、長い時間つま先立っていたためにプルプルと

震えていた僕の足が、「ポキッ」という小さな、ほんのわずかな

骨のきしむ音を立てたのだ。



・・・長くなりそうや。

この話はここまで。続きはまたいつか・・・。





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最終更新日  2004年05月04日 13時16分43秒


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