東方見雲録

東方見雲録

2003.07.19
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カテゴリ: 2003
水元の水辺を歩くとハスやスイレンのように水面に広がるタイプの植物とヨシやマコモのように垂直方向に伸びる植物とに大きく景色がわかれるのに気づく。

水際付近は垂直方向のものが優占している。
その中で最近目を引くものといえば、ガマの穂である。

しなやかに伸びた剣葉にスッと立ち上がった茶色の円筒形の穂、端正な造形美を感じさせる。
素人でもそれらしく活けることができそうな花姿から、私も以前プラザの玄関を飾らせてもらったものだ。

そのガマにも3種ある。その見分け方。

ガマの花は雄花と雌花が同一の花茎につく。雄花は上に、雌花(いわゆる穂)は下にできるのだが、この二つの花の位置関係と大きさで3種が区別できるのだ。

ガマ。雄花と雌花がひっついている。
ヒメガマ。雄花と雌花が離れている。


雌花は最初は緑色をしているのだが、結実すると茶色の穂となる。そのころは雄花はなくなり、跡形が見られるのみ。
近くに行って見なければ、この3種の区別はむずかしい。

昔、雄花の花粉を集めて血止め薬に使ったという。
サメに皮をはがれたウサギが蒲の穂に包まって傷をいやしたという有名な「因幡の白兎」の神話もまんざらウソではなさそう。穂ではなく花粉であったが。

穂も今頃採取すれば、いいドライフラワーになる。
ところが、秋に採取したものを置いておくと、白い綿が中から出てくるのだ。
ある時、遅く取った穂を花瓶に飾っていたら、綿が出始め、手で触ったら穂の形は一気にくずれ、部屋中、綿だらけにしたことがある。

強引な推論だが、因幡の白兎はガマの穂の綿の布団に休み、ガマの花粉で傷を癒したということかもしれない。
因幡の白兎は当時の民間療法をもつたえる説話ということになる。おそるべし。

ガマの穂の綿のことを穂絮というらしい。
初夏の柳絮に秋の穂絮。水面を舞う綿毛、水元には太古の風が流れているかのようだ。


ガマ
http://www.mars.sphere.ne.jp/tamukai/gama.htm
ヒメガマ



http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/hime-gama.html
コガマ



http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/ko-gama.html





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