東方見雲録

東方見雲録

2022.08.19
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カテゴリ: 環境
環境法学者のデヴィッド・タカーチは、科学ジャーナリストとして活動していたころの著作『生物多様性という名の革命』(日経BP社、2006年)のなかで、生物多様性の価値を9つ挙げている。

これは自然の価値論の応用編といえるが、都市における緑地や街路樹の価値の説明にも援用できると考える。以下、タカーチの記述をもとに、都市の緑地や街路樹の価値、ひいてはそれらを守らなければならない理由を9つ提示してみよう。

1)科学的(学術的)価値:多種多様な樹木を保全・管理することで植物学の知見が深まる(天然記念物など)。

2)生態学的価値:都市の水の流れを調整し、緑陰の気温を低下させる(生態系サービス)。

3)経済的価値:自然景観をアピールすることで観光客による地域経済の活性化が見込める(観光資源)。

4)社会的アメニティの価値:素敵な並木道があることは喜びであり地域の誇りである。

5)バイオフィリア的価値:人間は本能的に緑を求めるものだ(バイオフィリア=生命への愛)。

6)変容的価値:緑地や並木道を実際に歩いてみればその価値がわかる(体験が人間の考えを変容させる)。

7)固有の価値:人間の都合にかかわりなく樹木自体が尊いものだ。



9)スピリチュアルな価値:神木や古木、昔からの森には神様が宿っている。

以上の9つが、都市の緑地や街路樹を守る理由として考えられる。

引用サイト: こちら
世界から大きく取り残されている、日本の「都市再開発」の残念な実態 環境倫理学からの提言とは?  吉永 明弘


関連日記:2022.03.09の日記 風景のまちづくり   こちら





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Last updated  2024.09.05 08:19:03
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