東方見雲録

東方見雲録

2022.08.24
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カテゴリ: 建築
21世紀の建築はどうあるべきか。地球全体に、どう寄与していくか。僕らの世代は、その道筋をつけていく責務があると思う
仙田満



「環境デザイナー」としての礎を築く。そして独立へ
大学卒業後、「菊竹清訓建築設計事務所」に入所。実のところ、意中だったアトリエの採用試験に落ち、いくつか当たった先の一つだったが、仙田は、同事務所に在籍した4年間を「僕の大学院時代だった」と表現する。新人だろうとかまわず仕事を任せる菊竹氏のやり方に鍛えられ、厳しかったが、仙田はここで大きな学びを得たのである。

1968年、仙田は「環境デザイン研究所」を立ち上げる。その名に込めた思いは冒頭に触れたが、さらには、研究所の機能を有すること、そしてコラボレーションができる事務所であること。明確なスタンスに立ってのスタートだった。住宅の仕事を皮切りに、「こどもの国」を担当した経験から造園コンサルタントとしても活動するなど、仙田は多彩な領域に挑んでいく。

260311 改定
参考サイト:こどもの成育環境(注1)環境建築家・東京工業大学名誉教授 仙田 満 こちら





































参考サイト:仙田満によるこどものあそび空間デザイン論 こちら
仙田の環境デザインの核心的アイデアは「遊環構造」である。環境が遊環構造を有する場合の条件は七件あると仙田は指摘する(仙田 2016:21f.)。遊環構造論の初出は1982 年刊行の『こどものあそび環境』だと仙田は述べており、40年以上の長きにわたって、仙田の環境デザインの基本原理となってきた。

② その循環が安全で変化に富んでいるということ
③ シンボル性の高い空間、場があること
④ その循環にめまいを体験できるということ
⑤ その循環が一様ではなく、近道がある、ショートカットできること
⑥ 循環に大きな広場が取り付いていること
⑦ 全体がポーラス(多孔的)な空間で構成されていること(穴が開いていてどこ
  からでも入り込めどこからでも逃げられるという状態
・・・・
仙田によるあそび空間の六類型は、次の通りである。
 自然スペース
 オープンスペース

 アナーキースペース
 アジトスペース
 遊具スペース
・・・・
④ アナーキースペース

 アナーキースペースにおいては、「空間が混乱して、ごちゃごちゃしていて、とりとめもない状態」が保たれている(仙田 1992:6)。そのことは、大人による「管理が行き届かない状態」、未整理の状態、無秩序の状態である。「子どもたちは工事現場のような空間が好きだ。冒険的な空間なのだ」(仙田 1992:6)。つまり、そこには潜在的な危険がいくつも潜むが、危険こそがこどもに「冒険」したい気持ちをかき立てる。
「アナーキースペースでのあそびは、いわゆるチャンバラ、ウルトラマンごっこ、射ち合い、戦争ごっこ、コンバットごっこ等の追跡、格闘あそびが多い」(仙田 2009:14)。つまり、アナーキースペースは、こどもにとって戦いの場なのである。
 多様なモノの無秩序な絡まり合いは、そこにこどもたちに様々なイメージを投影させやすくする。アナーキースペースは、「多くのイメージを膨らませることができる空間」なのである(仙田 2009:14)。無秩序ゆえに、その場にこどもなりのイメージを付与させることが容易になる。こどもなりの意味づけを触発する空間ともいえるだろう。
 アナーキースペースは、不安定さをその特質とする。「崩れたり、壊れる場所であったり、火あそびができる場所でもある」(仙田 2009:55)。そこにおいては、不安定さに対応できるしなやかさをこどもは求められるのである。
・・・・
「あそび空間には色々ある」(あそび環境の多様性)、「あそびにはいろいろある」(あそび体験の多様性)、「あそびによってこどもが獲得する力もいろいろある」(学びの多様性)ということだけではなく、「あそび空間は緩やかに連続していることによって多様なあそび体験が生起しやすくなり、緩やかに連続することを身体的に確かめる(回遊する)こともあそびである」というテーゼが仙田の思想の核心にあろう。他者との出会いの場としてのあそび環境を仙田は重視しているのであり、環境デザインを変容させることによって、出会いの質が変化していく、つまり出会いそのものが変わり、多様化していくという発想がある。仙田にとっては、人的環境のこどもにとって
の意味は、物的環境という場に置かれた時に、初めてこどもにとって意味あるものとして生成してくるのである。
 大人としての保育者に求められるのは、物的環境としてのモノを色々ととり揃えることなのではなく、あそびの場をシステムとして、動的に運営(マネージ)していくことである。その運営の対象には、当然のことながら、保育者自身の環境への参与の在り方も含まれてくるはずである。

参考サイト:「こどもたちと木材との空間づくり」 こちら

参考サイト:新国立競技場・「霞ヶ丘一帯での整備計画が必要だ」   こちら
仙田氏は「都会にあれだけの緑が残り、歴史的にも由緒ある霞ヶ丘は、世界的にも類を見ない場所」と語る。それだけに五輪後の姿をどう描くかが重要だ。すでに新国立南側の17ヘクタールを対象に「スポーツクラスター(集積地)」として整備する計画があり、神宮球場と秩父宮ラグビー場は、25年までに場所を交換して建て替えられる予定だ。
仙田氏も「神宮球場やラグビー場も含めてスポーツや商業施設、公園、文化のマスタープランに基づいて整備を進めるべきだ」と指摘した上で「予算ありきで個別の計画を進め、全体がおろそかになることが日本の欠点」とも警鐘を鳴らす。生まれ変わる「スポーツの聖地」が魅力ある街となるか、注目される。

参考サイト:新国立競技場コンペ案・木造 こちら

関連サイト:こどもの空間づくり こちら

関連サイト:Wikipedia情報 こちら

関連日記:2023.10.16の日記  東京辰巳国際水泳場   こちら

関連日記:2022.02.17の日記  隠れ菊竹清訓ファンでした。   こちら

関連日記:2025.12.07の日記  羽根木プレーパーク   こちら





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Last updated  2026.08.31 05:41:17
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