東方見雲録

東方見雲録

2022.11.02
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カテゴリ: 宙(そら)学入門
最初の宇宙には、限られた種類の物質しかなかった。宇宙が始まってから0.00001秒くらいまでの間は、素粒子がバラバラになって宇宙全体に満ち溢れていた。
電子やニュートリノ、クォークなどと呼ばれる粒子など限られた種類の素粒子がほぼ均一に宇宙空間に満ち溢れていて、宇宙には特に「構造」と呼べるようなものはなかった。そして、とても温度が高かった。



宇宙が始まって4分後くらいになると、温度は8億度くらいになる。このくらいになると、中性子が陽子とくっついて、原子核ができるようになる。ヘリウム原子核と水素原子核になる。

宇宙が始まってから数分後の世界では、宇宙にある物質は水素原子核とヘリウム原子核、そして電子とニュートリノ、および光子が主なものである。その他の原子核は極めて微量な量しかできなかった。これらの粒子が空間にほとんど一様に存在していたのである。

自由な電子の数がかなり少なくなると、光が直進できるようになる。光が直進できるようになるには、宇宙年齢にして38万年ごろである。このことを、「宇宙の晴れ上がり」という。

晴れ上がりの時点に存在していた光のほとんどは、晴れ上がりの後、そのまま宇宙を直進し続ける。そして、現在の私たちのまわりにも降り注いでくる。その光は、晴れ上がりのときには目に見える波長の光、すなわち可視光を主成分とするものだった。だが、膨脹する宇宙を直進する光の波長は伸ばされて長くなる。現在の私たちのまわりに降り注いでくるまでには1000倍ほど波長が引き伸ばされ、電波として観測される。
この電波は「宇宙マイクロ波背景放射」と呼ばれるものである。この宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙のどの方向からも同じようにやってくる。

完全に一様な宇宙は、いつまで経っても一様なままである。だが、宇宙が完全な一様ではなく、最初の宇宙に非一様性が少しでもあるのなら、それを元にして現在の宇宙の構造を作ることができる。
物質量の濃淡、すなわち物質密度の空間的変化のことを「密度ゆらぎ」というが、重力には、密度の濃淡をどんどん強めようとする働きがある。この性質を、密度ゆらぎの「重力不安定性」という。

この宇宙にある物質には、原子などの通常物質の他に、「ダークマター」と呼ばれる物質がある。正体不明であるにもかかわらず、それがあるとわかるのは、ダークマターが重力的な影響を通常物質に及ぼすからだ。

宇宙初期にあったわずかな密度ゆらぎから、重力不安定性によって宇宙の大規模構造が作られる。この、複雑なネットワーク構造を持つ宇宙の様子は、コズミック・ウェブ(cosmic web, 宇宙の蜘蛛の巣構造という意味)と呼ばれている。

以上、高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所・教授 松原隆彦著『図解 宇宙のかたち「大規模構造」を読む』からの抜粋転載記事をさらに要約させてもらいました。

引用サイト:​ こちら








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Last updated  2023.03.19 14:59:13
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