東方見雲録

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2022.12.24
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カテゴリ: 科学
一般相対性理論では、ある時空に含まれる情報は、その内部ではなく表面に蓄えられるとする原理。この原理を用いると、重力の量子化という難問を、空間の表面に住んでいる、重力を含まない別の理論としてより簡単に定式化することができる。 (credit: 大栗博司)

図1】ホログラフィー原理の模式図

私たちの世界には、現在、「電磁気力」「強い力」「弱い力」そして「重力」の4つの力が存在しています。しかし、これらの力は宇宙がはじまった当初は一つの力としてすべて統一されていたと考えられており、力の統一について物理学の実験や理論の側面からさまざまな研究がなされてきました。重力を含む4つの力を統一して説明する理論の理解は、宇宙のはじまりを探求する Kavli IPMU の重要な課題でもあります。現在のところ、ミクロの世界を記述する量子力学を基礎とした理論を用いて、「電磁気力」「強い力」「弱い力」の3つの力を説明できることが分かっています。

一方、天体の動きや宇宙の進化などマクロな世界での現象はアインシュタインの唱えた一般相対性理論で上手く説明できます。この時、重力は3次元の空間と1次元の時間とをまとめた4次元の時空の性質に帰すことで説明されます。しかしながら、ミクロな世界の現象は量子力学で説明されており、重力も含めて一つの理論で統一的に説明するためには重力もまた量子化される必要があるとされてきました。


【図2】量子もつれと一般相対性理論の間の対応関係: 赤い点は一般相対性理論の時空における局所データを表す。本研究では青い半球で表される量子もつれによってこれを計算する方程式を導いた。 (credit: Jennifer Lin et al.)


ホログラフィー原理ではミクロな世界での重力を、重力を含まない量子力学の問題として説明することができます (図1) 。それにより、重力現象、さらにはその基礎となる時空自身さえも、重力を含まない理論から量子効果 (注1) によって生まれるとされます。しかし、量子効果から時空が生じる仕組みはよく理解されていませんでした。

Kavli IPMU の大栗博司主任研究員、カリフォルニア工科大学数学者のマチルダ・マルコリ教授と大学院生らの物理学者と数学者からなる研究グループは、量子効果から時空が生じる仕組みの鍵は量子もつれ (注2) であることを見出しました。特に、エネルギー密度のような時空の中の局所データが、量子もつれを用いて計算できることを示しました (図2) 。

量子もつれとは、異なる場所にある粒子のスピンなどの量子状態が独立に記述できないという現象で、アインシュタインは「奇怪な遠隔作用」と呼びました。本成果はこの量子もつれという現象こそが重力現象の基礎となる時空を生成するということを示したものです。

引用サイト: こちら


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Last updated  2023.03.03 21:07:21
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