東方見雲録

東方見雲録

2022.12.28
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カテゴリ: 郷土
オーストリアのリンツで行われている、芸術とテクノロジーの祭典、アルスエレクトロニカ・フェスティバルに毎年足を運び、テクノロジーが人と社会をどのように変えるのかについてリサーチを続けています。
アートとテクノロジーがどのように都市全体を活性化させるのか、また、文化とは? これからの都市とは…? 鷲尾さんの「ものさし」に迫るべく、旅の報告会を行った神山でインタビュー。

正確に言うと、アルスはカルチャーがメインではないんですよ。文化(カルチャー)だけ切り出して存在しているわけではないんです。面白いイベントだから、確かに観光客も来るけど、それが目的になっているんじゃなくて、むしろ街の個性や特長を伸ばすために文化的な体験を市民に提供している。それにビジネスとも結びついて、個性的なビジネスを作り出そうとしているわけです。その街らしいビジネスが生まれたら、それこそ文化(カルチャー)になる。それに、文化(カルチャー)とビジネスって、そもそも別々に考える必要はないとも思います。むしろそれは一つなんです。リンツは、自分たちの街を「文化都市」とは言わずに、あくまでも「文化的な産業都市」という言い方で表してます。



※ アルスエレクトロニカ・フェスティバル
1979年からオーストリア第3の都市、リンツ市で開催されている「アート・テクノロジー・社会」をテーマにした世界的なイベント。1987年からは国際コンペティション「アルス・エレクトロニカ賞」も開催、コンピュータアニメーションやデジタルミュージック、インタラクティブアート、などの部門で革新をもたらした作品に賞を授与する。コンピューター界のオスカー賞とも呼ばれている。運営しているのはリンツ市の公社である、アルスエレクトロニカ社。

モノラルな価値の追求は、結局、突き詰めると「勝ち負け」になっちゃうんですよね。
極端にいえば、勝者一人とそれ以外の大勢多数。そしてそこには「格差」が生まれます。それだけでは持続性がないなということに本能的にも気づいている人はたくさんいると思います。モノサスさんが神山町にサテライトオフィスを置くことでデュアルな体制を作ったり、“地産地食”を軸に、神山の農業と食文化を次世代につないで行く“フードハブ”にチャレンジしていることは、多分本能の部分もあるのでは?

無駄なものを作っていないって感じました。だから風景も、家のまわりも、部屋の中もとてもすっきりしていて美しく感じました。今、本当に必要なものは何か、これから残すべきものは何かってことを、ちゃんと考えているってことなんだと思います。ヨーロッパの都市経営を見ていると、社会福祉、都市計画、文化、産業、環境など、まず公務員である前に、各領域のプロフェッショナルが担っている。博士号を持っている人がやっている場合が多い。その上で、各部門のディレクターが合理的にディスカッションしている。それが普通なんです。

これからは、これまでの50年とは全く違うわけです。人は減っていく。これまでのやり方では格差が広がる、それは社会が分断するってことですよね。とても切実な問題だと思います。大切なことなので繰り返しますが、これからはその土地や風土に根ざした独自の価値、文化的な価値を追求していくという方向性にどれだけ勇気をもって踏み出せるかにかかっていると思います。

引用サイト: こちら  後編  こちら





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Last updated  2023.02.27 12:35:04
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