東方見雲録

東方見雲録

2023.01.12
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カテゴリ: 環境
森林で下層植生が失われると、落ち葉がその場にとどまらずに斜面の下方へ流れ落ち、地表が露出。雨が降るたびに土壌が削られ、土がやせていく。

 藤木さんは土壌流出による災害リスクを懸念する。04年の台風23号被害では、当時シカの生息密度が高かった南但や西播磨で、強風により倒壊する人工林が続出。09年の県西・北部豪雨で山腹崩壊が起きた場所の多くは、台風23号被害の後、元に戻らず荒廃した人工林跡だった。藤木さんは「シカの食害がその後の森林再生も妨げた」と指摘する。

 下層植生の喪失や土壌の流出は、生態系にも影響を及ぼす。シカの過剰な摂食で森林環境が変化した京都大学の芦生研究林(京都府南丹市、約4200ヘクタール)では、ウグイスやコルリなど、やぶを利用する鳥が減少。研究林を流れる川では、森から流れ込んだ土砂が川底に堆積し、れき地を好むウグイに代わって砂地を好むカマツカが増えた。

香美町立ジオパークと海の文化館の西田昭夫館長(68)によると、矢田川中流域にすむ昆虫「ヒゲナガカワトビケラ」も、10年前から生息数が4割減った。川底の石の隙間にクモの巣のような捕獲網を張り、網にかかった藻や植物片を食べるが、川底に砂が堆積し、網を張れなくなったとみられる。

 西田館長は「シカによる環境変化は目に見えないところで徐々に深刻化し、気づいた時には取り返しがつかなくなっている」と話す。


引用サイト:神戸新聞  こちら





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Last updated  2023.07.05 17:44:25
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