東方見雲録

東方見雲録

2023.03.03
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カテゴリ: 宙(そら)学入門

打ち上がらなかった新型ロケット「H3」初号機
主エンジンは点火したが、固体ロケットブースターは点火しなかった。(出所:JAXAの中継映像)
H3打ち上げ「中止」、「失敗」の表現を恐れるな
新型ロケット「H3」初号機の打ち上げが中止となった2023年2月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開いた記者会見で、一悶着(ひともんちゃく)あった。打ち上がる直前に異常を検知したロケットが安全に停止したにもかかわらず、一部の記者から「失敗」であると強く断定する発言がなされからだ。これが世間で物議を醸した。

もう少し上手な「見せ方」を
 それならいっそのこと、「予定通りの打ち上げには失敗したが、初号機の打ち上げプロジェクト自体は継続しており、設定期間内の3月10日までの打ち上げチャンスもまだある。引き続き応援してほしい」などと発信したほうが、潔くよく分かりやすかったように思う。世間の雰囲気も「それならば応援しよう」となる。つまり、もう少し上手な「見せ方」があったのではないか、という話である。

 JAXAと三菱重工業が開発するH3ロケットは、紛れもない国家的な大事業である。開発費は約2000億円とされるが、それでも日本の宇宙開発は諸外国と比べて低予算ともいわれている。後押しするには、宇宙開発に関心の無い一般の人々でも、思わず応援したくなる「雰囲気」が不可欠である。その意味で、件(くだん)の記者会見はもったいなかった。

 もちろん、安易に「失敗」という言葉を当てはめて、宇宙開発を支える技術者の揚げ足を取るようなことはあってはならない。報道機関にとって今回の打ち上げは、事実に基づく冷静な情報発信が求められることを再確認する出来事だった。

引用サイト:日経クロステック  こちら

関連日記:2023.02.22の日記  こちら





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Last updated  2023.03.03 06:00:08
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