東方見雲録

東方見雲録

2023.10.30
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カテゴリ: 宙(そら)学入門
中国の之江実験室(Zhejiang laboratory)の研究員・崔玉竹(ツェイ・ユズ)さんを筆頭に、日本の国立天文台(NAOJ)の研究者らも参加した国際研究チームは、楕円銀河「M87」の中心から噴出しているジェット(細く絞られた高速なガスの流れ)の方向が約11年周期で変化していることを発見したとする研究成果を発表しました。



今回、崔さんたちはジェットの形状が変化する様子を詳しく調べるために、20年以上に渡るM87の電波観測で得られた170枚のジェットの画像を分析。その結果、ジェットの噴出方向が約11年周期で変化していることがわかったといいます。

EHTの日本グループ「EHT-Japan」によると、M87のジェットが噴出方向に対して横方向に振れていることは過去の研究でも示唆されていたものの、原因や周期があるかどうかはわかっていなかったといいます。崔さんは「この発見をした時は身震いしました」と振り返るとともに、20年以上の観測で得られた膨大な量のデータを丁寧に分析したことが今回の発見につながったとコメントしています。

この周期的な変化の原因を探るために研究チームが国立天文台の天文学専用スーパーコンピューター「アテルイII」を用いてシミュレーションを行ったところ、自転するブラックホールが周囲の時空間を引きずることで生じる降着円盤の歳差運動(※1)として説明できることがわかりました。歳差運動とは回転する物体の回転軸が傾きながら円を描くような運動のことで、首振り運動とも呼ばれます。この運動は軸が傾いたまま回転し続けるコマ(独楽)の動きに似ています。

今回の成果は、M87の中心にある超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)が自転していることや、ジェットの発生にブラックホールの自転が関わっている(※2)ことを裏付けるものだとされています。研究チームは引き続きM87のジェットの観測に取り組んでおり、研究に参加した国立天文台水沢VLBI観測所所長の本間希樹教授は「今後は得られたジェットの形状変化をEHTで得られるブラックホールの動画とも比較することで、ブラックホールとジェットのつながりや自転の速度までより正確に導き出したい」とコメントしています。

引用サイト: こちら





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Last updated  2023.10.30 07:00:13
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