東方見雲録

東方見雲録

2024.01.11
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カテゴリ: 科学
宇宙空間には原子や素粒子だけではなく、星間分子と呼ばれる化学種が存在しているのです。2022年2月現在で、実に257種の星間分子が発見されているとのことです。大きいものではベンゼンやシアノナフタレン、フラーレンなどもあるそうです。そのような分子は有機合成化学を生業としている私にも合点のいくものですが、発見された星間分子のリストを見ていると、結構な確率で地上ではマトモに存在できない分子種が記載されています。

宇宙空間は高真空状態のため、星間分子どうしの衝突確率は地上に比べてごくごく僅かとなります。そのため、超絶不安定とも思えるような分子が安定に漂っていることがままあるそうです。そこで、筆者がピックアップしたいくつかのエキゾチックな星間分子を紹介したいと思います。



H3+ (プロトン化水素分子)
星間分子としても、地上で観測可能な分子としても比較的有名です。1911年、ジョゼフ・ジョン・トムソンが水素ガス中での放電実験により発見し、1990年代後半に星間分子としての観測がなされました。形式上プロトン化水素分子と呼ばれていますが、その構造は正三角形であり、3個の水素分子は完全に等価で、いわゆる三中心二電子結合を形成しています。詳しい解説は Wikipedia に譲りますが、これが多量に存在しているという宇宙空間、恐るべしです。



引用サイト: こちら

HeH+ (水素化ヘリウムイオン)
ビッグバン直後の宇宙から存在する、宇宙最初のイオンとされる物質です。ヘリウム化合物はさすがの宇宙空間でも本イオンしか発見されていないようです。

ビッグバン直後の宇宙に存在した原子は、ほとんどが水素とヘリウムだけだった。ビッグバンから約10万年後、この2種類が結合し、宇宙で最初の分子(イオン)である「水素化ヘリウムイオン」が形成されたと考えられている。その後、水素化ヘリウムイオンと水素原子が結合して水素分子が作られ、宇宙で最初に誕生した恒星の主要な材料となった。

水素化ヘリウムイオンは現在の宇宙にも存在するはずだとみられ、1925 年には実験室でこのイオンを合成することにも成功したが、これまで実際に検出されたことはなく、数十年にわたって探されてきた。その候補天体の一つが、はくちょう座の方向約 3000 光年彼方に位置する惑星状星雲「NGC 7027」である。星雲中に存在する年老いた星からの紫外線放射や熱が、イオン形成に適した環境を作り出していると考えられたからだ。

惑星状星雲「NGC 7027」(左上)から検出された、水素化ヘリウムイオンの構造のイラスト(右下)(提供:NASA/ESA/Hubble; Processing: Judy Schmidt)
引用サイト: こちら





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Last updated  2024.01.11 08:00:11
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