東方見雲録

東方見雲録

2024.02.26
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カテゴリ: アーカイブス
2007.02.26の日記 こちら


日本各地の動物園でニホンザルなどを飼育展示している施設「サル山」という名称をみなさんも一度は聞いたことがあると思います。その先駆けとなった上野動物園のサル山が2011年10月15日に80周年を迎えました。昭和6年(1931年)〔追記:初期のサル山については記録が少なく、完成時期についていくつかの説がありましたが、再調査の結果、昭和7年[1932年]10月に完成し、同月サルを放したことが判明しました〕に千葉県富津市にある高宕山(たかごやま)の岩山をモデルにして造られました。今でもニホンザルたちが当たり前のようにのんびりとした生活を送っています。しかし、完成直後にはさまざまな問題が起こりました。

 完成当初はニホンザルの群れを展示する予定でしたが、群れでの入手が難しかったため、当時飼育されていたニホンザル1頭、タイワンザル1頭、飼育頭数の多かったカニクイザルとアカゲザルを数十頭ずつと、混ぜこぜでの展示となりました。また、当時サル山は「サルヶ島」と呼ばれ、擬岩の山の周りには脱出防止のための濠がめぐらされ、水に囲まれていました。この二点が災いしたのです。

 導入したサルはどの種も社会的な順位が成立して群れが安定するのですが、4種混ぜこぜにされたこの群れは「烏合の衆」でした。おまけにニホンザルとタイワンザルは、カニクイザル、アカゲザルに比べ一回り以上体格がよいため、2頭のニホンザル、タイワンザルが圧倒的な優位に立ってしまったようです。この2頭とケンカになると、カニクイザル、アカゲザルには勝ち目がなく、追いつめられたカニクイザルは濠に飛び込んで溺れてしまい、身軽なアカゲザルは濠を飛び越え園外に出てしまうということが多発しました。翌年、この混ぜこぜ展示は終了し、ニホンザルの幼獣17頭を群れとして導入することで展示は安定しました。

 サル山ではその後、戦後60年の間に三度の大改修がおこなわれました。その際に濠は埋められ、塀の高さをかさ上げし、プールが増築されるなどの変化はありましたが、高宕山をモデルとした擬岩の山は昭和6年(1931年)から姿を変えずに、現在も上野動物園でニホンザルたちの住処としてその歴史を刻んでいます。日本で一番歴史の長い動物園の、現存する最古の展示施設をぜひごらんください。

追記:初期のサル山については記録が少なく、完成時期についていくつかの説がありましたが、再調査の結果、昭和7年(1932年)10月に完成し、同月サルを放したことが判明しました。

写真:サル山の昔と今、山の姿は変わっていない

〔上野動物園東園飼育展示係 青木孝平〕

引用サイト:東京ズーネット サル山80周年! 上野  2011/10/28   こちら

人工岩  こちら
人工岩は主に、公園や遊戯施設などに野性味のある自然景観を持ち込む手段として多く用いられる。

景観演出として本物の石なり岩を用いる場合、それが大きくなればなるほど採取するのも運搬するのも大変な労力が必要となる。この手間を省くため、岩の表情がついたパネル状の部材を組み合わせて大きな岩塊としたり、盛ったモルタルにコテで岩目を造形したりする手法によって人為的・擬似的に岩を創出する。

逆に本物の岩塊を持ってきて積み上げても見た目は石垣にしかならないうえにそうした工事自体が困難を伴うため、大きな岩壁の表現などは人為的に造ったほうが、より容易に自然な空間を生み出すことができる。

使途
動物園・水族館
昭和7年に恩賜上野動物園でサルの展示空間に人工的に造形した岩山(いわゆる「サル山」)を導入したのが最も初期の国内例。以後、各地の動物園のサル展示に同様のものが流行した。

近年は動物園がただの檻の集まりから行動展示型へと移行しているのに伴い、展示生物の生活環境を表現するために岩山を人工で造形したり、他展示との境界線をフェンスではなく自然な土塊に見せて目立たなくするといった活用が増えている。

関連日記:2005.11.30の日記 こちら

ちょっと寄り道:千葉県高宕山小倉コース 「白い壁のテラス」   こちら




ちょっと寄り道:水墨画の世界   こちら


追記 250203
関連サイト:上野動物園「サル山」 老朽化で取り壊し “森のようなつくり”施設リニューアルへ こちら
関連サイト:4/15-5/11「さよならサル山」イベントを実施します こちら
関連サイト:「プライベートが必要」な“動物福祉”の観点 こちら
サル山なら建設に使われるコンクリートや、飼育のために設置されているオリそのものが悪いわけではないという。サルが暮らすのに十分な広さや隠れる場所、熱のこもらないような地面が飼育施設内に確保されていることが大事だという。



関連サイト:サル山の最上部の展示を開始 こちら
上野動物園のサル山は、老朽化に伴う施設再整備のため、2024年11月19日に92年間という長い歴史に幕を下ろしました。

 建設当時の最先端技術で造られた大きな擬岩(岩を模して造られた構造物)は、動物の生息環境を再現しようと試みた展示として、日本の動物園における「サル山形式展示」の先駆けとなりました。そして最後の約15年間は、国の天然記念物である北限のサル「下北のサル」を展示し、野生のニホンザルの現状を伝える役割も果たしました。92年間、建設当初の姿から大きく変わることなく、「上野のサル山」は多くの方々に親しまれてきました。

 このたび、長年にわたり上野動物園を見守ってきたサル山の歴史を未来へつなぐ象徴として、サル山の擬岩の最上部を移設し、保存・展示することになりました。ぜひ間近で、サル山の思い出とともにご覧ください。


追記 0205





上野動物園 サル山80 周年イベントを実施します
Bytankentai_blog  9月 24, 2011   こちら



東武動物公園に新サル山『あかげ365』出現! お猿さんたちにエサあげたり間近で観察できたりめっちゃかわいい! 遊園地&動物園&植物園のハイブリッドレジャーランドで思いっきり遊ぼう
2024年3月21日 20時6分



引用サイト: こちら


札幌市円山動物園 サル山   こちら


旭山動物園のさる山   こちら

・・・・追記
積読一撮:上野動物園 100周年パンフレットより


・・・・追記
サル山にいたニホンザルたちの今
2026年6月25日

2024年11月、92年にわたり多くの方に親しまれてきたサル山での展示が終了しました。上野動物園のサル山は完成当初からその姿をほとんど変えておらず、日本の動物園にあるサル山展示の先駆けとなりました。



この群れは、2010年に青森県の下北半島から上野動物園に来園しました。下北半島に生息しているサルは、ヒトをのぞいた霊長類のなかで世界でもっとも北に生息している「北限のサル」として世界から注目されており、国の天然記念物にも指定されています。

しかし、青森県では農作物被害の拡大や人的被害が問題となり、被害をもたらしている群れを対象に駆除がおこなわれました。そこで、上野動物園では駆除対象となった群れをサル山に迎え入れることになりました。搬入当初23頭いた群れは、現在35頭になり、非展示エリアの仮設動物舎にて飼育管理をしています。
・・・・
仮設動物舎はサル山を取り壊してから新施設を建設するまでのあいだ、一時的に飼育するためにつくられた施設です。ニホンザルは動物愛護管理法上の「特定動物」(人の生命、身体財産に危害を加えるおそれのある動物)にあたるため、一時的とはいえ飼育基準をクリアした丈夫な施設で管理しています。

動物園では青草、シラカシやネズミモチの枝葉、季節の野菜、サル用の固形飼料などを与えています。野生のニホンザルは、食べ物が少ない夏や冬に向けて、春と秋にたくさんのえさを食べます。そこで、それに合わせて春と秋にはヒマワリの種などカロリーが高いえさも与えています。

給餌をすると、サル山でくらしていたときと同様に、強い個体は地面にいることが多く、弱い個体は比較的高いところにいることが多いです。給餌は一日に4~5回おこないますが、1回目は野菜、2回目は青草、3回目は枝葉、のように回ごとに種類を変えて、それぞれまとまった量を与えています。毎回いろいろな種類のえさを少しずつ与えると、強い個体がその都度好きなえさを独占してしまうからです。

「環境エンリッチメント」の一部を紹介します。

まず、給餌においては、えさを取り出すのに工夫が必要な給餌器(以下フィーダー)を取り付けて採食時間を延ばしたり、園内で採れたタケノコやサクラの枝葉、殻付きのクルミなどを与えて刺激したりしています。また、ケージの天井の金網の上にえさを置いてみるだけでも、天井にぶら下がって器用にえさを取り込むようすが観察できます。




消防ホースを部屋の中に張り巡らせたり、ハンモックやプラスチック製のタルをぶら下げたりして行動できる範囲を増やすようにしています。おそるおそる消防ホースの上を移動したり、ハンモックにジャンプして飛び移ったりと、行動のレパートリーを増やすこともできました。

これらの環境エンリッチメントに取り組むにあたり、ふだん与えていないえさやフィーダー用の容器・消防ホースなどはサポーター資金を活用しています。




下北のニホンザルは、先にも述べたように地球上でもっとも北に生息しているため、毛の密度が高く、寒さに強いです。一方で暑さにはあまり強くないので、仮設動物舎では暑熱対策をおこなっています。

まずは日よけです。ケージの上の約半面を寒冷紗で覆っています。ただ寒冷紗を張るだけだとサルに引き込まれてしまう可能性があるため、木枠で高さを出してサルが触れないようにしています。

続いてスプリンクラーです。これはサル山でも使用していたものを仮設舎でリユースしています。水にあたりに来る個体もいれば、嫌そうに逃げる個体もいますが、地面が濡れるだけでも少し涼しくなります。
引用サイト: こちら






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Last updated  2026.09.29 02:59:10コメント(0) | コメントを書く


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