東方見雲録

東方見雲録

2024.03.14
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カテゴリ: 宙(そら)学入門





記者会見では、発射後に何らかの異常が発生し、ロケットの「飛行中断システム」が爆破したという見方を明らかにした。「リフトオフすると飛行経路や各部の正常/異常をコンピュータが判断する。逸脱する場合には落下しても安全な場所で中断する」仕組みだという。

 結果としてミッションは完遂できなかった。しかし豊田社長は「スペースワンとしては“失敗”という言葉は使いません。全ては今後の挑戦の糧。会社の文化です」と話す。そして「2020年代半ばまでに年間20機の打ち上げ」という目標を変えるつもりは「全くない」としている。

 会見に登壇した東京大学の中須賀真一教授(大学院 工学系研究科)は「素早くリカバリーして、時間をかけず次の打ち上げにつなげてほしい。今回は大きな痛手を負ったが、ここから立ち直るスピード感を、この機会を利用して鍛えていただきたい」とエールを送った。

 スペースワンは研究機関ではなく、株主や顧客がいる営利企業だ。現在は投資フェーズにあるが、なるべく早く結果を出す必要がある。事実、今回の件で主要株主であるキヤノン電子などは株価を下げた。

 また世界中で宇宙産業の“官から民へ”という動きが加速する中、スペースワンは「契約から打ち上げまで世界最短」「世界最高の打ち上げ頻度の宇宙輸送サービス」を打ち出している。“スピード感”は、自社のサービスの特徴であり、他社と競争を有利にする重要な要素だ。

 そもそもカイロスという機体名は、ギリシャ神話に登場する時間の神「カイロス」から拝借したもの。そこには「時間を味方に付けて市場を制する」という強い意志を込めたという。失敗を「糧」と言い換え、目標を変えない姿勢からも、早期の事業化に向けた同社の強い意志が垣間見える。

 今後は、射場や破片の調査や飛行データの解析などを通じて原因究明を急ぐ。すでに豊田社長をトップとする対策本部を立ち上げた。「原因が明確になれば、可能な限り早く対応(=次の打ち上げ)したい。今回の結果を糧にして、事業化を加速していく」(豊田社長)。
引用サイト:itmedia.co   こちら

関連日記:2024.03.12の日記   こちら





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Last updated  2024.03.14 00:58:56
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