東方見雲録

東方見雲録

2024.04.06
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カテゴリ: ものづくり


© 現代ビジネス

これがアメリカの現実となる。現在たった16%の電動車シェアのうち7%程度同士であるハイブリッドやEVという見方もできるし、アメリカではまだまだガソリン車が84%も買われているという見方もできる。

「ハイブリッド=日本」「EV=海外勢」と思うから、見方が変わるのだ。ハイブリッドはフォードなどからも販売されている。グラフでもアメリカのシェアは「ハイブリッドのひとり勝ち」でもなんでもない。筆者も同じ日本人として、そう思いたい気持ちはわからないでもないが、アメリカでの事実は違う。

今後アメリカでは、EVの伸び率の鈍化はあっても、EVとハイブリッドのシェアは並走し、ガソリン車は減り続ける。ガソリン車のシェアをEVやハイブリッドなどの電動車が奪い続ける、と言ってもいいだろう。結局のところ、アメリカの実態を言えば「ガソリン車が減っている」ということになる。
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アメリカの環境保護庁(EPA)のサイトには、アメリカで売られているハイブリッド全車種から自動車の車種を自分で選び、年間の総距離とガソリン価格を自分で入力すると、同車種のガソリン車と比較され、ハイブリッドがいつからお得になるか自動で計算してくれるサイトがある。   https://www.fueleconomy.gov/feg/hybridCompare.jsp
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世界的なEVへの移行は、もちろん気候変動対策、脱炭素もあるが、石油や天然ガスに依存するよりも、運用に不安がある原発での発電にリスクを取り、石油依存をやめようという”裏テーマ”がある。世界中で紛争が起こっているが、ロシアを筆頭に石油や天然ガスの産出国への依存を続けるのかどうかも問われているわけだ。各国の脱炭素化へ向けた計画も、必ずと言っていいほど原発の稼働を増やしている。ニューヨーク州の脱炭素化計画も例外ではない。



その上でのEVだ。現実としては、これまでは日本の物価に対してEVは高すぎた。ケリー・ブルー・ブックの調査によると、昨年アメリカでのEVの平均価格は約5万3000ドル(約800万円)だった。昨年の日本の自動車平均価格が約367万円、軽自動車は150万円程度だったので、日本にとってEVはまだまだ高い。
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EV価格のゲームチェンジャーとして頭角を現しているのが、中国のEVメーカー。頂点に立っているのは昨年のEV世界販売数1位のBYDだ。中国のBYDのEVは約150万円からあり、とにかく安い。
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USMCAの協定は、アメリカ国内のアメリカ人の自動車メーカーの雇用を保護するように制定されている。例えば、メキシコで自動車を製造してアメリカに輸出する場合、「その価値の40%が時給16ドル(約2400円)以上の労働者によって製造されなければならない(小型トラックの場合は45%)」など様々な決まりがある。

しかし、中国政府の権力と資本の後押しによって、安いEVがメキシコで製造されるとなると話は別だ。アメリカにあるEVに関連した日本の自動車メーカーも、太刀打ちできない価格になる。
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アメリカ人は製品の国籍は気にしない。だからこそ、日本製や韓国製の自動車がアメリカで大量に売れている結果になっている。中国製のモノも中国車も例外ではなく、モノが良ければアメリカ人は買う。アメリカ人が反発するときは、自分たちの雇用に関わる場合だ。このため、日本の自動車メーカーはアメリカに多くの工場を設置している。EVはアメリカによる「日本車潰し」など勘違いも甚だしい。

もしBYDが、メキシコからなんらかの方法でEV販売においてアメリカ進出を果たした場合、アメリカ国内の自動車メーカーは打撃を受け、アメリカ人の雇用に影響する。そのため、トランプ前大統領は「(自分が再び大統領になったら)メキシコで生産される中国の車に『100%の関税』を課す」と発言した。日本はどうだろうか。今後もEVを巡る競争は激しさを増すことだろう。
引用サイト:現代ビジネス 笹野 大輔   こちら





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Last updated  2024.04.06 07:00:12
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