東方見雲録

東方見雲録

2024.05.03
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カテゴリ: スクラップ
なぜネアンデルタール人は滅び、現生人類は滅びなかったのか。現生人類がネアンデルタール人を虐殺したのではないか、などと、さまざまな説があり、いまだ研究途上の謎です。

ペーボ博士は、ネアンデルタール人が一度住み着いた場所には何万年も住み続け、決して移住しようとしなかったこと、新しい技術を生み出さず、生活をまったく変えなかったことに注目しています。

一方の現生人類は、新天地を目指してどんどん移住し、新しい道具を作り続け、さまざまな環境に適応していきました。

つまり私たち現生人類は、陸地が見えなくても「海の向こうには何があるんだろう」「この海の先に、新天地があるかもしれない」という想像力を原動力として行動を起こし、仲間と協力し合いながら、冒険の旅に出たわけです。そして、地球上のあちこちに散らばっていきました。

だからこそ、たとえば気候変動が起きるなどしてネアンデルタール人が絶滅の危機に瀕してしまったとしても、現生人類は各地に分散することによって生き延びることができた。それによって、今があるのではないかと、ペーボ博士は仮説を立てているのです。想像力を持って冒険したおかげで、今の現生人類があるのだということです。

ペーボ博士にインタビューした際、「この先に陸があるかどうかもわからないのに、『海を渡ろう』と思うのは狂気でしかないが、私たちにはそれが欠かせない。今私たちは、火星に行こうとしている。理由はよくわからないが行こうとしているのだ」と話していたのが印象的でした。

私たちは遺伝子レベルで、生まれながらに想像力を持った生き物なのです。想像力が欠如していたら死に絶えていたかもしれません。


Photo by iStock
© 現代ビジネス
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Last updated  2024.05.03 09:00:09
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