東方見雲録

東方見雲録

2024.05.14
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カテゴリ: 政経




 ところが日本の毎年の経済成長率は先進国のなかでも最低かほぼ0%、工業製品が輸出競争力を失いつつあるため輸出に以前ほどの勢いがなくなり、一方で円安傾向がはっきりしたにもかかわらずエネルギー需要の世界的な伸びや資源高などから輸入額が大きく伸び、貿易収支は赤字が拡大、黒字が出てもわずかという体質に陥ってしまった。
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食料輸入量がマイナスの影響を受ければ、日本の食料自給率は、名目上は上昇するだろう。しかしそれはいいことではない。それは食料を欠く日常に近づくことと引き換えることであって、国内に流通する食料が減ることを意味する。結局は、この日本にとって最も安心できることは国内生産を増やすことなのである。
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 もし日本に直接関係する有事が起きたそのとき、日本人の食料、特に主食のコメは大丈夫なのだろうか? 国内自給率が最大のコメが大丈夫でないとすると、事態は深刻と言わざるをえない。
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日本に直接関係する有事にでもなると、海外にほぼ100%依存する農業機械向けの石油燃料と化学肥料や化学農薬の原料は大きな制約を受けずにはいられない。平均年齢68歳の稲作「高齢者農業」を支えてきたのは、農業機械化と化学肥料・農薬である。

 そのほか、ほぼすべてを海外に依存する超低自給率の小麦・大豆・トウモロコシ、肉類に食用油原料、野菜類や加工食品、魚介類の輸入も、平和のときとまったく同じようなわけにはいかないだろう。

日本に直接関係する有事にでもなると、海外にほぼ100%依存する農業機械向けの石油燃料と化学肥料や化学農薬の原料は大きな制約を受けずにはいられない。平均年齢68歳の稲作「高齢者農業」を支えてきたのは、農業機械化と化学肥料・農薬である。

 そのほか、ほぼすべてを海外に依存する超低自給率の小麦・大豆・トウモロコシ、肉類に食用油原料、野菜類や加工食品、魚介類の輸入も、平和のときとまったく同じようなわけにはいかないだろう。
引用サイト:高橋五郎  こちら

いかなる意味でも農産物の自由貿易は成立しないし、理論的にも成立しないといえる。こうした条件がないままの自由貿易論は、強者をより強く、弱者をより弱者に落とす謀略である。

 だからこそ、あらゆる生産国が自給率を高めることが最良の選択であり、貿易はその補助的な手段と位置付けることを共通の目標とすべきだと思う。

引用サイト: こちら

高橋五郎
愛知大学名誉教授

たかはし・ごろう/愛知大学名誉教授(中国農業論・アジアの食料問題)、中国経済経営学会名誉会員(元会長)。主な著書:『農民も土も水も悲惨な中国農業』(朝日新書)、『新型世界食料危機』(論創社)、『日中食品汚染』(文春新書)、『デジタル食品の恐怖』(新潮新書)、『チャイナ・トリックス』(イーストプレス新書)、『中国が世界を牛耳る100の分野』(光文社新書)、『海外進出する中国経済』(日本評論社・編著)『中国土地私有化論の研究』(日本評論社)他。





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Last updated  2024.05.14 08:00:13
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