東方見雲録

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2024.05.22
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カテゴリ: まちづくり

「鉄道廃線は地方を孤立させる」赤字ローカル線の存廃議論で欧州から学ぶべきこと

地方を中心に鉄道の利用者が減り、赤字ローカル線を存続させるかどうかの議論が本格化している。利用状況が危機的な路線を対象に、鉄道を残して収支改善を目指すか、バスに転換するかを決める 「再構築協議会制度」 が2023年10月の法改正で成立した。第1号は岡山と広島県にまたがるJR芸備線で、今年3月に初会合を開いた。民間企業であるJRにとって不採算路線は経営上の「お荷物」だ。しかし社会全体の利益という観点で捉えると、違った価値が見えてくる。

オランダの鉄道インフラ管理会社「プロレール」で輸送計画の分析やダイヤ策定、インフラの設計業務を担うクラース・ホフストラさん(47)は「廃線は最悪の選択。ヨーロッパと同じ過ちをしてほしくない」と言い切る。かつてJR四国のダイヤ改正に携わり、経営幹部はホフストラさんを「最大の功労者」と評価する。日本は欧州から何を学べるのか、詳しく聞いた。(共同通信=広川隆秀)
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日本は乗客の多い時間帯に列車の本数を増やす傾向にあるが、欧州では列車を定間隔で運行する「パターンダイヤ」の導入が進む。列車を効率的に運用でき職員の負担軽減にもつながる。

 ―欧州に学んで、日本でもパターンダイヤの検討が進められています。特に積極的なJR四国は、ホフストラさんの尽力があったからだと聞きました。

 「日本の大学教授から紹介してもらったのを機にJR四国ともつながりを持つようになりました。2014年3月からの1年間は高松市に滞在しました。その後も定期的に高松を訪れて意見交換を続ける中で、JR四国の経営状況が厳しいことを知りました」

 「オランダの鉄道でも苦境に置かれた路線がありましたが、1930年代にダイヤ改正やインフラを整備し、利用者が増えるなど状況を大幅に改善させることに成功しました。JR四国でも実践できると考えました」



 「二つの感情があります。一つは確かに変化が起きたということ。一方で、もどかしさも感じます」

 ―どういうことでしょうか。

 「10年前、私はJR四国で導入できるパターンダイヤを独自に作成し、効率よく列車を運行できることを参考になればと思い、示しました。しかし、返ってきたのは『お客さまは改正を望んでいない』『現状のインフラ設備では難しすぎる』といった消極的な反応でした」

 「パターンダイヤは効率よく列車を運行できるだけでなく、職員や車両への負担も減らせます。何度もメリットを説明するも、堂々巡りの議論が続きました。10年かけてようやく変化が見えてきたといったところです」
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 ―欧州と日本の鉄道事業の異なる点はどこにあると考えますか。

 「ヨーロッパも日本と同様、かつては民間企業が運営していました。しかし、経営が悪化したため、国が介入しました。1930年代にはほとんどの国で国営化されました。鉄道を存続させるためには、政府が積極的に関与するべきであるという考え方が根付いています」

 ―日本で取材をしていると、鉄道事業は民間ビジネスであり、会社が経営改善やインフラの整備をするべきだと考える人が少なくない印象です。

 「鉄道事業は民間ビジネスであり、会社が努力するべきだという考え方は、私にはとても違和感があります。日本でもたくさんのバスやトラックが走っていますが、それぞれの会社が道路の整備も行っているのでしょうか。高速道路や港湾、空港と同じように、鉄道インフラの整備も政府の役割だと考えるのは不思議なことではありません」

 ―赤字ローカル線を巡り、日本では存廃議論が加速しています。移動する権利を基本的人権と位置付けて、政府が積極的に介入する欧州から学べることは多そうですね。

 「廃線は地域を閉ざすことでもあり、最悪の選択です。1960年代、ドイツやイギリスといったヨーロッパの多くの国で、採算の取れない多くの路線が廃止されました。しかし、これは結果的に地方を孤立させることにつながりました。その反省から、今は路線を復活させる流れになっています。コスト面から考えて、廃線にした路線を復活させるのは非常に高くつきます。日本に同じ過ちを犯してほしくはありません」
こちら






日本海新聞 0515





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Last updated  2024.05.22 07:00:14
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